封鎖されたブランコ
投稿者:yumy (19)
私が通っていた小学校で本当にあった怖い話です。
小学校の校庭にはシーソーやブランコ、砂場など、普通の公園にあるような遊具がありました。
私が入学した直後にはまだ使われていたブランコですが、ある年の夏休みの後に学校へ行くと何故か突然封鎖されてしまい乗れなくなってしまったのです。
当然生徒たちからはブーイングの嵐です。しかし、先生たちからは他の校区の小学校のブランコで事故があったため、ブランコは使わないようにするという曖昧な説明にとどめられました。
ブランコは使われないようにロープで囲み、ブランコの椅子の部分も鎖をカットして外されてブランコで遊ぶことは絶望的な状況になったのです。
シーソーなどはそのままなのに…という不満は当然ながらありました。
しかし、その後そのブランコに乗りたいと言い出す人はいなくなりました。なぜなら、椅子の部分をカットしてあるにも関わらず、夕方にそのブランコの近くを通ると、ブランコをこぐようなキコ、キコという音が聞こえたという怖い話で学校中が大騒ぎとなったからなのです。
部活動で遅くまで残っている人が、ブランコをこいでいる音が聞こえたと騒ぐことも多くなり、日増しに私も聞いた、僕も聞いたというような人が多くなったのです。
私は室内で行う部活をしていたのでその音を聞いた事がなかったのですが、ある日友達に聞きに行ってみようと言われ、興味本位で部活が終わってから閉鎖されているブランコに近づいてみることになりました。
静まり返っているグランドの端。ブランコに近づいていくうちに、心臓の音が尋常じゃないほどドクドクと脈うち、近づいてはいけないというような気持ちになりましたが、友達の前でかっこ悪い態度は見せられません。ブランコの付近を一周し、しばらく待ったのち友達が「やっぱりみんなの聞き間違いだよね」と帰るように促したのです。
その言葉に私は同調はしましたが、実はこの時ブランコの音はしっかりと聞こえていたのです。校庭に響くキィ、キィという音。そして、私の目には取り外されたはずのブランコに立ち乗りをしている知らない中年男性の姿が写っていました。
友達には見えていないということにもゾッとしましたが、何よりも寂しそうにブランコをこいでいる姿に悲しさと恐怖を覚えました。
今思うと中年男性の身に何かが起きたからブランコは使えなくなったのかもしれません。
小学校で部活…?と思って調べたら、地域によっては普通にあるんだね。
初めて知りました。