介護施設の空き部屋で起きた怖い話

数年前、介護の仕事で夜勤をしていた時の話です。

当時の職場の夜勤は22時から、早出が出勤してくる7時半まで1人で利用者様20名をみていました。

22時から2時間毎に各個室の巡回をし、ナースコール対応やオムツ交換、寝られない利用者様の相手をしていました。

その日は私が待機している詰所から見えない奥の部屋に一部屋空きがありました。

24時の巡回時、一部屋一部屋見て回るのですが、その空いている個室からテレビの音が聞こえました。

1人だった為とても怖かったのですが、ドアを開けるとやはりテレビがついていました。

ですが、前に利用された方がよくわからずテレビをタイマーにしてしまったということはよくあることです。

また認知症の方もたくさんいらっしゃるため、私が知らないうちに他の個室の利用者様が入ってしまいテレビをつけたということも考えられました。

なのでテレビを消して、その個室の鍵を閉め、巡回を終えました。

そして、次の2時の巡回時。その個室の前を通ると、次は電気がついていたのです。

さすがに消し忘れに気づかないことはありません。個室のドアはそれぞれ一部すりガラスとなっています。

鍵も私しか持っておらず、夜勤中は肌身離さず持っています。

個室に入るのを躊躇っていると、中からは水が流れるような音が…

それぞれの個室には洗面所がついていて自動水栓となっています。

意を決して中に入ると、水は止まりました。

水が排水溝に流れていくゴポゴポという音だけ聞こえました。

それ以上は一人だということもあり怖くて怖くて電気を消して急いで個室を出ました。

その後、4時、6時の巡回は何事も無く無事に夜勤を終えることが出来ました。

この体験が私が介護施設で働いた中で唯一の怖い体験でした。

過去にその部屋で亡くなられた方が遊びに来ていたのかな？と思うことにしています。