友人との会話
投稿者:チンパン (1)
初めての投稿なので拙い文章になるかと思いますがご容赦ください。
これはバイト先の後輩Kから聞いた話です。
分かりやすくする為にK目線でお話を進めさせていただきます。
上京して1年目のKですが地元は九州の大都市の生まれで昨年までそこで過ごしておりました。
そんな地元でのお話。
Kには腐れ縁のような親友Yがいました。小学校から高校まで一緒で家が近いこともあり、お互いに成人してからもよく遊ぶ仲でした。
その日も夜遅くまで飲み歩き家に帰宅したのは日付が変わった頃だったそうです。
普段から仲が良い2人はお互いの家に行き来することも多く、その日もKの家にYも来たそうです。
Kの自室は昔、兄との二人部屋で2段ベッドがあり、いつもYが来るとKが上でYは下の段を使っていました。
家に着いてからもベッドに横になりながらしばらく話していたそうですが、お酒も入り時間も時間だったこともありKはいつの間にか眠りに落ちてしまったようでした。
どれくらい経ったか、ふとKは目が覚めました。部屋の明かりは眠る前と同じようについており、スマホで時刻を確かめると一時間ほど経っていました。
「あー寝てたわ。Y起きとる?」と聞くと下から「起きとるよ〜」との返事。
寝ないで何してんだと思いつつ、なんだか目が冴えて眠れなかったKはしばらくYと話に花を咲かせました。
内容は中学にやったバカなこととか、その日にYがナンパで失敗した話だとか取り留めのない内容でYも楽しそうな雰囲気でいつものように話していたそうです。
ふとKが体を起こし下の階に体を乗り上げて「そういえばさ〜」と話を振ろうと下の段を覗くとそこには誰もいませんでした。
…………え?
つい数秒前まで話してて、部屋から出る為の扉は上の階からも見える位置にありYが出ていった様子はありませんでした。
寝ぼけていたのかと思いましたが、ほんの数秒前までたしかに会話をしていたのです。
その日あったことや昔のKとYしか知らないことで盛り上がっていたし、何より声も喋り方もYだったのです。
ではKは「誰」と話していたのか……。
気味が悪くなりKはすぐにYに電話をしました。
「お前どこおるん?急にいなくなんなやビビったわ」
「いや悪いって〜K寝たから40分くらい前に帰ってきたわ〜」
その電話の後Kは下を覗く勇気がなくずっと上の段で震えながら朝を迎えたそうです。
酔っ払って寝ぼけてたんじゃないの?と聞いたのですが、「まぁ〜その可能性は無くはないですけど、あの後朝まで起きてたし夢でないのは確実で、寝ぼけてたと言っても10分くらい話してたんですよ…。あの声は絶対Yだったし、話した内容も全部辻褄合ってたんですけどね……何と話してたんでしょう…。」
普段明るいKのあんな真剣な顔は初めて見ました。
自分自身と話してたんじゃないの。
自分と友達が会話してる体で。
夢うつつだったから、実際に友達の声が聞こえて友達が話してるように思ったんだろ。