●●県●●市に所在する旧女学校には、曰くつきのプールが存在する。
8月のある日になると、プールの水が血のように赤く染まり、泳いでいる者を地獄に引きずり込むのだという。
どこにでもある「学校の七不思議」のようなものに聞こえるが、実際このプールでは過去に事件が起きている。
1988年8月10日、夏の大会に向けて練習していた水泳部の部員4名が、忽然と姿を消したのだ。
その場にいた他の部員の証言によると、プールの水が赤く染まったかのように見えた瞬間、泳いでいた部員が水中に引きずり込まれるように消えてしまったのだという。
警察はプールの水をすべて抜き、排水溝の中まで捜索を行った。
が、今でも消えた部員たちの行方は知れていない。
真夏の学校で起きた怪事件は、今でもオカルト本やネットを賑わせている。
それらで語られるストーリーは、概ねこうだ――
太平洋戦争の末期、女子校周辺も米軍による激しい空襲に晒されていた。
ある日、校舎に一発の焼夷弾が直撃する――
木造の校舎は瞬く間に燃え上がり、授業中の教室は炎に巻かれた。
火だるまになった生徒たちは次々とプールに飛び込み、息絶えていった。
浮かばれない霊たちは、今でも空襲のあった日時になると姿を現し、泳いでいる人間を水底に引きずり込むのだという。
――資料:学校に設置された防犯カメラ映像――
2001年8月10日16:14分。
誰もいないプール。
空襲警報のようなサイレンが遠くから響いてくる。
同時に、水面が赤く染まりだす。
ノイズ。
水面で魚が跳ねるような飛沫が上がる。
次第にそれは全体を覆っていき、再びノイズ。
プールサイドに立つ、生気の感じられない男性。
こちらをじっと無表情で見つめている。
――インタビュー――
噂は本当なのだろうか。
本誌は、戦中に女学校に在籍していた90代の女性にお話をうかがうことができた。
――今回はインタビューに応えていただき、ありがとうございます。























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