俺の実家には今では見かけなくなったブラウン管テレビとビデオデッキがある。
こないだ、なんとなくビデオが見たくなって、実家の自分の部屋を漁ったらドラえもんの雲の王国ってやつがでてきた。
懐かしいなーとか思いながら、そのままビデオデッキに差し込んだ。
保管状態も良かったからか思いの外、画質も良く、たまに画面が斜めに流れることもあったが、この空間だけが小さい頃に戻ったみたいに感じてなんとなく心地よかった。
ビデオ中盤、のび太の住む街が大洪水になるシーンの辺りで俺は眠ってしまった。
次に目覚めたときにはすっかり日も暮れていて、薄暗くなった部屋にはあの嫌な音が響き渡っていた。
最近はわからない子の方が多いと思う、あの「お知らせ」の画面だ。
お 知 ら せ
この音声信号は品質管理用の
信号であります。
(異常ではありません)
ブーーーーーーーーという低くも高くもない機械音と共に無機質な文章が映し出されている。
子供の頃はこの画面と音が怖すぎて、よく親に消してもらっていた。
正直今でもこの音を聞くと鳥肌が立つので、とりあえず電気をつけようと立ち上がったときだった。
あの嫌な機械音がピタッと止まった。
画面に目を向けると、終わったと思ってた映像が続いていた。
なんだこれ…?教育番組…?
おかあさんといっしょっぽいけど違う。
色鮮やかなスタジオで笑顔のお姉さんが子供たちと一緒に歌って踊ってる。
何故か音声は無く、無音のためどんな歌が流れているのかはわからない。
お姉さんの横には番組のマスコットキャラクターのようなものがいた。
どんなに記憶を辿っても、子供の頃にこんな番組を見たことはなかった。
個人制作のビデオだったとして、なぜドラえもんのビデオの後にこれが入っていたのであろうか。
そんなことを考えていると、映像にある異変が起こった。

























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