私の大学時代からの友人Aの話。
Aはアパートで一人暮らしをしている。
Aの住むアパートは全部屋ワンルームタイプのため、周りもほとんど一人暮らしと思われる。
一度遊びに行ったことがあるが、街中から少し離れた場所にあるため、人通りは決して多くなく、静かで住みやすそうだった。
2ヶ月ほど前、久しぶりにAと遊んだ時、そのアパートで「不気味な事」が起こる と聞いた。
なんでも、半年程前から深夜(1時くらい)になると、足音が聞こえるのだと言う。
大体毎晩決まった時間に、
革靴でコンクリートの上を歩いているような 「カツ カツ」という音が聞こえるそうなのだが、「不気味な事」というのは、毎晩、自分の部屋の前で音が途切れるらしい。
確かにそれは怖い。
「強盗が事前調査のために来ている可能性もあるし、放置しないで何か対策をとった方がいいかもしれない」と言うと、
続けてAは、
「それも怖いけど、それよりも不可解なことがあって…
足音が家の前で止まった後、帰っていく足音が聞こえないんだよ」と話した。
聞いていて寒気がした。
これはヒトコワではなく、心霊的な怖さなのではないかと。
この話を聞いて、正直ネタになるかもしれないという思いもあり、Aの家に泊めてもらうことにした。
それが約1ヶ月前のことだ。
お互い平日は仕事もあるので、連休で都合の合う日を見つけて、泊まらせてもらいに行った。
日中はドライブを楽しんで、夕方18時頃にAの部屋に入れてもらった。
深夜までは時間があったので、買ってきたお菓子を食べながら酒も飲みつつ談笑してすごした。
23時頃にはアパートなのであまりやかましくするわけにもいかないということで、各々寝転がりながら黙々とスマホをいじるなどしていた。
ここで失態を犯す。
飲酒の影響もあるのか2人して寝てしまっていたのだ。
なるべくいつもの状況を作ろうと電気を消していたのも悪かったかもしれない。
私は物音で目を覚ました。
スマホで時間を確認すると深夜の1時ごろ。
期待半分恐怖半分で耳をすませていると、
確かに足音が聞こえた。
「カツ カツ カツ」
そして家の前あたりで足音が止んだ。






















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