ある寒い冬の夜
友人と二人、スキー場の駐車場に車を停め
車内で他愛もない話をして盛り上がっていた
スキー場ということもあり、
車の後ろはどこまでも続く雪が拡がっている
話も落ち着き、車内が静かになったとき
外の景色に目をやっていた友人があることに気づく
「なんか…足跡が残ってる」
「足跡…?」
車内から出て回りを確認すると
車の回りをグルグルと周回するように
自分達のものではない足跡がいくつも残されている
その足跡は車の後ろに拡がる雪の方角からこちらに向かって歩いてきていた
夜も遅く、回りには森が拡がっており人の気配も全くなかったはず
気味が悪くなり、そろそろ帰ることにした
車内に戻り、助手席に乗った友人が後部座席に置いてあった自分のカバンに手を伸ばした
カバンが手に触れた瞬間
「うわぁあああああっ!?!?」
車内に悲鳴が響き渡った
いったい何が起きたのか
友人の方を見ると、カバンを恐怖と驚きの混じった表情で凝視している
「そのカバン…触ってみて…」
言っている意味が分からないが言われるままカバンに手を伸ばし
カバンに触れると
まるで雪の中に埋めていたかのように
カバンはビチャビチャに濡れていた
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