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呪い・祟り

yukiさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

宇宙は空にある❷ ~編集後記~
短編 2025/05/12 11:04 1,153view

○○県○○町での調査から10年後。
俺は一人の老人を取材した。
その取材内容が一般に公開されることはない。

老人「君の熱意には負けた。君にだけは全てを教えよう」
老人「あの町は『宇宙』なのだ」
老人「あの地は『宇宙』に触れている」
老人「本来『宇宙』で起こるべき危険な事象があの町では起きる」
真空状態による意識混濁。呼吸障害。心肺機能の損傷。体液の沸騰。
低圧環境下による気体の流動現象。
摂氏約120℃からマイナス100℃以下にもなる過剰なまでの温度差。

強烈な紫外線や宇宙放射線による深刻なダメージ。
危険はそれだけではない。隕石。超重力。超新星爆発。ブラックホール…。
老人「宇宙で人は生きられない」
老人「もし宇宙の果てに神がいるのであれば、あの町は『焦点』なのだ」
老人「神があんな不条理なルールを定めたのか、だと?」
老人「…神は例えだ。あれは自然の摂理。単なる自然現象の一つ。どうする事もできない」
老人「我々人間にできることは、『偽装と撹乱』だけ」
老人「『偽装と撹乱』の作業は、10年ごとに行われる』
老人「その作業は、あの町が宇宙(そら)の彼方に目を向けた時から始まった」
老人「犠牲?」

老人「仕方なかろう。誰かがあれをやらねばならないのだから」
老人「世間に公開しないのか、だと?」
老人「誰も信じない。『偽装と撹乱』の作業を邪魔する者が必ず現れる」
老人「そう。君のような邪魔者だ」
老人「…犠牲が出るのはやむを得ない。」
老人「作業が中断されれば、…この事象は町の外にも広がる」

老人が述べた事が真実か否か。
それは俺には解らない。
しかし。
それからも、あの町からラクガキが消えることはなく、
不可解で不条理な死は続いているという。

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関連タグ: #宇宙人#石
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