俺の遠い親戚のばあちゃんの話
ばあちゃんは昔戦時中に、敵国の男に
レ〇プされたらしい。
戦時中だから警察に行っても意味なくて
腹に子供が宿ってしまったらしい。
ばあちゃん、その時まだ20ぐらいで
育てる知識も余裕を無かったんだ。
毎日毎日陣痛やら吐き気、戦争によって
沢山の燃える家と人を見てたから、
気が狂っちまったんだろう、ある日その腹に
宿った赤子を産み落として、生きたまま
土に埋めたんだ。か弱い声で
「おんぎゃー…おんぎゃー……」って。
罪悪感だってあったさ。何度死にたいと思った事か
それでも生き残ったばあちゃんは
戦争が終わって、旦那さんも見つけたらしい。
それが今はもう死んだけど、
俺から言えば遠い親戚の爺ちゃんな。
ばあちゃん、爺ちゃんには赤子の事
言わなかったらしい。
まだまだ若い方だったから、男女の交わりも
あるよな、いつしか二人は結婚して
子供も授かったんだ、女の子。
それが俺の祖母かな、もしかしたらもっと前かも。
その女の子、真由美って言うんだ。
あの赤子を殺してしまったから。その子の分も
心から愛してやったんだ。
真由美さんが20歳になったぐらい
ある日綺麗な朝顔の種を持って帰ってきたんだ。
家族皆で埋めて育てよう!ってなって
晴れで天気の1日に、庭に穴を掘ったんだ。
そしたら後ろから
「次は大事に育ててね」
って。
この話を聞いた日、ばあちゃんは老衰で死んだ
そして、最初に産み殺した赤子の命日だった。
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