視線
投稿者:たち (15)
私が20代後半の時に経験した話。
バイト先で知り合った同僚と意気投合し、よく一緒に遊んでいました。
数ヶ月後、同僚が故郷に戻ることになり、バイト最終日に聞いた話。
幼少期の頃、両親が離婚し、母方の実家で過ごすことになったそうです。
離婚の原因が、父親の浮気。
父親は、一度きりとはいえ浮気をしてしまったことを後悔し、母親に謝罪したが夫婦関係は修復せず、半ば強引に別れた。
数年後、父親は亡くなったと母親から教えてもらいました。詳細は教えてくれませんでした。
父親の思い出として、父親はよく遊んでくれて、優しい父親だったと同僚は語っていました。
母方の祖父母との生活にも慣れ、不自由なく過ごして、高校卒業後に関東で就職も決まり、上京してきました。
上京する前に色々と持って行く物を整理していた時に母親が、
「私の寝室のテレビ、持っていきな」
「うーん、まぁ、せっかくだから持って行くか」
と母親の使っていたテレビを持って行くことにしました。
「あのテレビ、使ってたのかな?いつも布を被せてたような…」
「まぁ、いいや」
数日後、引っ越しも終わり。
家具の配置もある程度決まって、これからの生活に期待を膨らませていました。
その時、少し視線を感じた気がした…
その後、生活に徐々に慣れ、友人や彼女もでき、充実した時間を過ごしていた。
そんなある日、友人が泊まりに来た時のこと。
そろそろ寝ようかとなったので、友人の布団を敷き、テレビを消し、トイレに行って戻ってきたら友人が
「ん?気のせいか」
とボソッと言ったのが聞こえた。
特に気にすることもなく、就寝しました。
数日後、彼女が遊びに来ました。
テレビを消し、戸締りを確認し、リビングに戻ると
「何か、見られてる気がする…」
と彼女が少し怯えた表情で言ってきました。
同僚のオカン、嫌な女だな。普通我が子に曰く因縁付きのテレビなんか押し付けるか?
視線の正体は・・・
まじ怖杉慎
お母さんは知ってたのかなあ