大丈夫？

これは実際に体験した話です。
これは約25年前の話。
当時高校の友達と卒業を終えて、車で地方の絶景スポットに向かって行きました。
私達は市内の方で遊んでいた為その場所に着いたのは夜の3時くらいで辺りは真っ暗でした。
女の子3人、男は僕を含め2人計5人でスポットを回ることにしました。
僕たちの地元では結構有名な言い伝えというか噂で聞いたことがあったのですがそこの絶景スポットは自殺の名スポットとも呼ばれており、心霊スポットとして有名でした。
特に言い聞かされていたのは、会社で働いていた男の人が上司からの暴力やいじめにより我慢できずそのスポットの橋から飛び降り自殺をしてその男の人の幽霊が出るっていう話を聞いてました。
また、そこのスポットは橋を渡る際に後ろから濡れた靴で歩いてくるような音が聞こえてくる等の心霊現象がよく起きると有名で、男友達が面白半分肝試しをしようと言い、橋を渡って向かいにある島まで行くという流れになりました。
男が2人先頭を歩き、女の子3人が後ろからついて行く形で歩いていた際に後ろにいた女の子が突然｢後ろから歩く音聞こえない？｣と言うふうに行ったのですがしばらく私達は聞こえず驚かせようとしているのだと思いました。けれど、歩いていく内に段々僕たち全員が聞こえるほど濡れた靴で歩く音が聞こえ皆驚いて、向こうの島まで走って行きました。

島に着いた時には音が聞こえず、皆全速力で走った為手を膝に付いてしばらく休憩してた時僕ともう1人の男の子が女の子3人の内2人の女子に「大丈夫？」「怖かったね」と声を掛けて女の子を安堵させようとしていました。すると、もう1人の女の子の横に男の人が立っていた為僕は「あいつが○○ちゃんを落ち着かせてるんだね」と思い目を離した時、その女の子が大きな声で叫び1人で島の奥まで走っていきました。それにびっくりして僕達も走り、女の子を探していた時女の子が地面に座ってたのですが口を大きく開けてぼーっとしている状態でした。
いくら声掛けても返事どころか顔の表情も変えずおかしいなと思い女の子をおんぶして帰ろうとした時近くのお寺を管理している僧侶の方が「今すぐうちの寺に来なさい」と大きな声で言われたので皆で僧侶の後を着いていきお寺に着きました。
僧侶の方に｢何故僕達に声掛けたんですか？｣と聞くと僧侶は君たちが背負っていた女の子の命が危ないと感じたからだ。と答え、僧侶は何かの儀式の準備をしていました。

それから20分くらい経って女の子をこの円の中に座らせてくれと言われ、皆で女の子を移動させた後僧侶の方が儀式をして終わってしばらく経った後女の子が意識が戻りやっと話せれるなと思いお寺を後にして来た道を帰りました。

電灯がある所で一旦何があったのかを聞くため女の子に聞くと女の子はこう言いました。
「橋を走って渡りきった後○○くんと○○くんは○○ちゃんと○○ちゃんに寄り添ってて私も近づこうとした時に誰かの手が肩に当たって大丈夫？って聞かれたから○○くんが心配してくれたんだなって安心して顔を上げ相手の顔を見ようと思ったら顔が真っ青で顔面が怪我だらけで濡れた男の人が私の肩を掴んでたの」って言われ逃げようと走る時に耳元で「オ・マ・エ・ダ・ケ・ハ・ユ・ル・サ・ナ・イ」「カ・ナ・ラ・ズ・コ・ロ・ス」って言われたそうだ。
その後の帰り道は橋を渡る時も渡り終わったあとも何も無かったのだが、1週間も経たない内にその女の子は家の浴槽で溺死した。

その子の親が言うには肺の中に水がいっぱい入っていて呼吸困難となり溺死となったと言われた。
後日お寺の僧侶に話を聞くと、その男性は女の上司から見た目や仕事の出来なさにいじめや暴力をしており亡くなった際に持ってた所持品にその女の人の頭、心臓、足に穴が空いておりその顔があの子に似ていたのだろうなと僧侶は言っていた。

その現象が起きてからはその橋は壊され、僧侶がいたお寺や町は過疎化によって廃村という形になったそうだ。