邪視(?)
投稿者:イエティ (51)
親父が林業やってる。
チェーンソー使って木を切って、重機で運ぶ。
その繰り返しだから、高校時代よく親父の仕事手伝ってたんだよね。
高3の春の話。
小遣い稼ぎのために親父の仕事に同行した。
場所はかなり山奥の別荘地。
春休みを10日削って、民宿の泊まりながら仕事。
全国的に温泉が有名で観光地だから、飯も美味いし温泉も最高だった。
同行したのは7回目だったかな。
もう慣れてきたと思っていても、3日目には全身筋肉痛で死にかけてた。
足場が悪く斜面も多いから、特に足腰がやばかった。
泣き言言ってられないし、親父はぴんぴんしてるから、やせ我慢して仕事してた。
で、その地域で2件仕事があったもんだから、
5日目には違う場所での仕事だった。
そっちはある程度近くまで整備された林道があるし、斜面もそんなにきつくない。
楽な方が残っててよかった~と思いながら、前日の下見を済ませた。
その日は15時くらいには仕事納め。
ゆっくり休んで明日に備える感じだった。
翌日、朝4時に起きて仕事場に向かった。
ちょっと小便したくなって仕事場から離れると、木陰に木箱があった。
サビもひどくて木も腐りかけてたが、鉄?青銅?でけっこう派手に装飾された外見と、
こんな山奥にある時点で何か訳アリなんだろうな~って思った。
なんでこんなとこにあるんだろう?と思いながら、木箱から少し離れて小便した。
高校生男子の果て無き好奇心が、「開けてみようぜ!」と囁く。
心の中の僅かな良心と恐怖心が、「やばいもんだったらどうするよ、やめとけ」と言う。
霊的なものだったら…?呪われたらどうしよう?
でも気になるな…大金とか銃とか入ってるかも?
もしかするとかなり価値があるかもしれない…開けよう!!!
この間わずか1秒。
後に後悔するとはつゆ知らず、木箱を手に取った。
縦50cm、横30cm、奥行き30cmくらい。
重さは見た目とは裏腹に5kgくらいあったんじゃないかなあ。
かなりずしっときた。
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。