重なる幽霊
投稿者:太山みせる (35)
中途半端に霊感の強い夏子は、そのせいで色々と怖い目に遭っている
なるべく夜は出ないようにしていたが、その日は避けられない用事があって、深夜に1人で帰宅するという、嫌な思いをすることになった
駅から家まで歩いて帰る
時間が遅いので、車の通りはあまりない
歩道にいるのは自分だけ、前にも後ろにも誰もいなくて寂しかった
足早に歩いていると、ふと前方に小さな女の子が見えた
5才くらいの子供が、1人でポツンと立っている
(こんな時間にどうしたんだろう?もしかして、お母さんと はぐれた?)
そう思った夏子は声を掛けようとした
その瞬間、強い力で背後から肩を掴まれた
「あっ!」
驚いて振り返ると、いつの間にか見知らぬお婆さんが真後にいた
しかも歳の割に力が強い!
「えっ…」
戸惑う夏子に、
「ダメだ!アレに近寄ってはいけない!」
老婆は強い眼力で、夏子を見据えて言った
「えっ、でもこんな時間に小さい子がいるのは危ないから、保護しなきゃ…」
老婆の迫力に圧倒されながらも、夏子はモゴモゴと抗議した
「おまえには、アレが小さい女の子に見えるのか?」
老婆の問いに、夏子は改めて前方の子供を見た
やはり5才くらいの髪の長い女の子だ、
だが格好は変だ、もう12月なのに薄手の洋服を着ている
(えっ、もしかしてこの子は幽霊なの?
でも子供の幽霊なんて可哀想すぎる!
幽霊なら幽霊で、何とかしてあげたいな…)
そう考え始めた夏子に、
「心の目でよく見なさい」
老婆は静かに言った
良い話でした⭕️
素晴らしい
呪術やお経じゃなく体当たりって斬新だな、跳躍力のあるひいばあちゃん強い!