中学3年の夏
その日の1時間目、国語の授業の時だった
ガラッと教室のドアが開き、1人の女生徒が入ってきた
「どうどうと遅刻か〜」
先生は呆れた声を出した
その子は軽く頭を下げて、自分の席に着くべく、教室の中を移動して行った
ふわっとしたセミロングの柔らかい髪、色白で丸くて大きい目に整った顔立ち、いつ見ても可愛いな
一番後ろの席にいる私の隣を通った時、目が合ったら微笑みかけてくれた
さらにそのまま後ろへと歩いて行く、
「あれ?」
私の後ろには誰の席もない
違和感を感じて私が振り返ったら、その子は壁の中に消えて行くところだった
あまりのことに一瞬惚けた、だが次の瞬間、
「きゃー」
悲鳴をあげたのは私だけではない!
「今の人、消えた!」
「そもそも入ってきたのは誰なの?」
「幽霊?」
教室中がパニックになった
先生も皆に落ち着くように言っていたが、明らかに動揺していた
入ってきた子が消えるまで、誰もが彼女を自分のクラスメートと認識していたのだ
不審者の存在よりも、自分の認識がおかしくなったのが怖かった
ひとしきり騒いだ後、
「でも可愛いかったな」
誰かの一言で、改めて思い出した
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