だれかのせいにすれば
投稿者:けんちゃん (9)
俺がまだ中学生の時の話です
俺の地元は畑や田んぼ、山々に囲まれた田舎にあり
友達の家が芋農家、はたまた牛や鳥豚を育てる家が多いくらいに田舎でした
地方には沢山の風習や掟のようなものがあると思いますが、子供の私にとってそれはなんの意識も向くような事はありませんでした
俺が居た町にも、入ってはいけない○○城跡や社も、特別な日にしか入れないお寺や神社も二、三ありましたが
退屈な日々の一ページとでもいえますその日の事は今でも忘れられません。
毎日一緒に悪さしてた芋農家の友人(仮にタカヒロ)といつものように学校帰りに駄弁っていて
近くに良くない言い伝えのある城跡があると言うのでいってみないかと話になり、霊感のかけらもない俺はいってみようかと乗り気になった。
夕暮れの中勢いついたタカヒロと俺は、城跡に何かないか探検家のように無邪気に探索していた
ふと下をみると一枚の小判のような物があり、これはお宝発見か?とテンションも上がっていた
拾ってそれを興味深く見ると見慣れない文字(カタカナだけわかったのでカタカナだけ書きます)で(○○ガマ○ヲ○○○タシ)と書かれていました
それを手にしたタカヒロはさらにテンションが上がったのか飛び跳ね奇声を上げ始めた
こんなにひょうきんであまりふざけた事をする様なヤツじゃないのにどうしたんだろうかと、やや心配が勝ちどうした?と聞くと
(何でもない!大丈夫!)と言った次の瞬間
近くにあったお地蔵様にオシッコをかけ始めたのです
これはまずい(世間的にも道徳的にも人として)と思い軽く殴った
タカヒロは我に帰り青ざめた顔で、やばい逃げようと言い帰り道を全力で走って行った
一人取り残された俺は雨水の溜まったバケツを見つけてお地蔵様に掛かったオシッコをながし手を合わせ、帰宅した。
それから何事も無く数ヶ月が過ぎて夏休みに入る3日前、タカヒロと友人数人で公園で集まって遊んでいた
ベンチに座って話していると、タカヒロが親からケータイ(当時はガラケーです)を買ってもらったらしく自慢していました
ケータイなんかみんな持っていないので写メを撮ったりと楽しく遊んでいた
すると急にタカヒロがケータイを覗き込んだまま黙り込んだ。
みんな不思議がり、どうした?と聞くと、どうやら俺の左足の部分が消えてるらしい
心霊写真じゃねーかと盛り上がっていたら
タカヒロが静かに泣き始めた
瞬きもせず、下を向き、涙と涎を垂れ流し
俺は心配になってタカヒロを家に送ってくると皆んなに言って二人でタカヒロの家に向かった
終始無言だったが家につく間際にタカヒロが
けんちゃん、ごめんね。と言った
訳が分からなかったが、まぁいいや心配すんなと俺は言った。
その帰り俺は車に轢かれた、左足に力が入らない、見たことないぐらいの血が出ていた、左足から血が吹き出すのをみて、遠くに救急車の音を感じながら意識を失った
目を覚ましたのは2週間後の事で夏休み真っ只中。
足は靭帯、動脈、筋肉、骨まで切れてしまい切断しなきゃならないかも知れなかったらしいですが、お医者さんがよかったのか手術がうまくいき全治2ヶ月ですんだ
入院中に親や学校の先生や友人が見舞いに来てくれた、もちろんタカヒロも
タカヒロは毎日一人で来ては、良かった本当によかったと涙を流していた
いいヤツだなタカヒロはと話していると、暗い顔で俺に話し始めた。
城跡に行った日を覚えているか、あの日見た小判の様な物覚えてるか、と
ちんぷんかんで今なぜそんな話になるのか分からなかったが覚えていると言うと
あれから毎日誰かにつけられてる気がして、怖くなって家族にお地蔵様にオシッコををかけたと話したら、大騒ぎになってお祓いに行ったんだ、そこで家族や住職に
(もう一人一緒にその場に居た子がいたろう、その子につけようか)
たかひろぉ~
地蔵に手を合わせてなければ足を持ってかれてたかもしれないんだね。
家族や住職が投稿者に何かを取り憑かせるようタカヒロに提案したってこと?
最低な住職さんですね😡