変なアルバイト「池の掃除」
投稿者:赤壁二世 (13)
大学生の時、変なバイトを請け負ったことがある。
当時大学二年生だった俺に、同郷の一つ上の先輩からとある内容のラインが送られてきた。
『アルバイトしないか?池の掃除。日当一人2万円。友達呼んでいいから』
俺はコンビニでバイトして小遣いを稼いだりしてたが、収入は微々たるもの。
服が大好きだったから出費がひどく、俺は先輩のラインを見るなり「2万も貰えんのか!」と意気揚々とバイトを引き受ける旨を返信した。
そして、大学の友達を二人くらい誘ってその日を待つ事にした。
当日、先輩と待ち合わせしたコンビニ駐車場で友達と共に集合。
ワゴン車でやってきた先輩は、駐車するなり俺達を見つけ「おー、〇〇久しぶりだな」と窓から手を振る。
車に駆け寄って俺は「久しぶりです。今日はよろしくお願いします。それと、友達のAとBです」と一緒に働く友達を紹介。
先輩は「Aくん、Bくん、よろしくな。〇〇の先輩です」と握手し、AとBも「「よろしくお願いいたします!」」と受け答えしてた。
先輩は気さくだし、AとBも気のいい奴らだったからすぐに仲良くなれそうだ。
コンビニで昼飯を購入してから先輩の車に乗る。
車内にはいくつかのカゴが乗ってて、その中には作業着とかスコップなんかの道具が嵩張ってた。
たぶん、池の掃除に使う道具を積んでるのんだと思い、深く追求しなかった。
俺は助手席、友達は一つ後ろの後部座席、その後ろの座席に道具がぎっしりって感じ。
先輩の運転で郊外に入っていくと、田園風景が広がっていく。
池の掃除ということだから、まあ人里離れた場所にあるのだろうと対して気にしなかったが、さながら山に埋められに行く被害者の心境だ。
車は峠に入り、更に山地に深く侵入していく。
それから明らかに私道らしき道が終わり、舗装もされていないような山道をガタゴトと揺れながら進んでいった。
2時間もかけて山奥に入っていくのは、何か生きた心地がしなかった。
一瞬だけ、先輩に騙されて何か怖い人達が出てくるんじゃないかと冷や冷やした。
「こんな奥で作業するんですか?」
「ああ、結構大きい池なんだけど。辺境すぎて案内がないと迷子になるから業者も呼び辛いってことで、知り合いでバイト募ってんの。業者より安くつくしな。その分、バイトにしては破格の給料だろ?」
「まあ、はい」
不安になって先輩に話しを聞くと、池の掃除自体は本当っぽかった。
そうして到着したのが四方を森で囲われて人里から隔絶された池。
ヘドロが溜まってるのか藻が浮いてて泥水の広がりのような池だった。
しかも、大きさは25メートルプール以上に広い。
こりゃ一日で終わる目途が立たないが、日当2万円の為にやりきるしかないと思った。
作業着は車に積んであったものを貸し出され、先輩も含めて四人が着替える。
ちなみにトイレはその辺の茂みでやるように言われ、トイレットペーパーは車に積んであった。
コンビニで買った弁当はクーラーボックスに入れてあるが、レンジが使えないのは想定外だ。
kamaです。いいですね。ゾクゾクしました。
面白かった
闇が深いな
読みやすいです。ひきこまれました。
うーん。オチが欲しかったなー