祖母のお通夜
投稿者:もぼもが (1)
私は物心ついた時からのおばあちゃんっ子でした。長女だったので昔からすごく大切にされた記憶があり、おばあちゃんの事が大好きで祖母も私のことが大好きだったと思います。
そんな祖母は社会人一年目に持病が悪化し亡くなりました。
お通夜は祖母の家で行われました。昔ながらの古い家で仏壇の前に亡くなった祖母が白装束で横になっていました。
お通夜では、故人の唇が乾かないよう、夜通し湯のみに入った水を小さな葉っぱですくい、唇を潤すという作法があるようで(無知のためその時初めて知りました)その日は夜通し、妹と協力しながら、祖母の唇が乾かないように濡らしていました。
その日は1日、祖母の葬儀の準備や来客への挨拶など気苦労があり、2人とも疲れていて、先に私が2時間だけ襖を挟んだ隣の部屋で寝ることになりました。
ものすごく疲れていたので一瞬で眠りについたのですが妹の泣き叫ぶ声で目が覚めて「え?!何?!」とわたしも飛び起きたのですが、おきたらなんと隣の部屋で寝てたはずの私は、祖母の真隣にいたのです。
叫び声に母も起きてきて、だんだん落ち着いてきた妹に話を聞くと
「お姉ちゃん寝たまんま腕だけだれかにひっぱられるみたいにしてここまでズルズル動いてきたんやで」
と言われました。
寂しがり屋だったおばあちゃんがちょっとでも離れたくなくてそばにいて欲しいとわたしを隣に引っぱってきたんではないかと思います。
寂しがり屋の祖母が仕掛けたように、お坊さんの都合がつかず葬式が一日伸びて、行きたくないよといわんばかりに雨が降っていたのを10年も前になりますが鮮明に覚えています。
でもふとおもうときがあるのです。
もしかしたらあれはちょっとでとそばにいて欲しいではなくて、イッショニイコウっていみだったんだろうかと。
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