かっぱに連れて行かれる子どもたち
投稿者:HISIGOGO (1)
短編
2023/03/06
08:13
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地元にはゆうめいなかっぱの伝説があります。
わたしの生まれ育った地域は土地がら夏になると毎年のように台風が来るため、その度地域の山間では土砂崩れがあり、川は水が増え危険な状況になります。
特に集まる下流はもともと大きな川ですが、大雨・台風の後は水かさが増え氾濫一歩手前といった状況になることが多いです。
この大きな川のある地域では、よく公園にかっぱの銅像が飾られています。
親子の銅像や、女性のかっぱの銅像。帽子をかぶったり、きゅうりをかじったり色々です。
このかっぱについて、私が子どものときに怖い話をいくつか聞いたことがあります。
それは、かっぱが子どもたちを連れて行くという話しです。
夜中に家に忍び込んで連れて行くという話もあれば、川で泳いでいるときに足を引っ張られるというものもありました。
そしてその話を裏付けるかのように、毎年夏になるとどこかの川で子どもが流され、その子どもたちはどこで流されてもいずれはその河童のいる川へと運ばれていました。
一番奇妙だったのが、河童が子ども連れ去ると大雨がやんで川の氾濫が治まるということです。
もしかするとただの偶然だったのかもしれませんが、子どもながらに川が河童の意志で溢れたり静かになったりしているように思えて怖かったのを今でも覚えています。
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