裏切りの代償
投稿者:ぴ (414)
当時から私は自他ともに認めるほど男運が悪く、ダメ男ばかりと付き合っていました。
しかも困ったのが一度ダメ男を好きになってしまうと周りの声が聞こえないほど、のめり込んでしまうところなのです。
その人に一直線になると周りの声が聞こえなくなり、友達がどんなに私を心配して、「そんな男とは別れたほうがいいよ」と言ってくれたとしても、好きな気持ちが冷めない間は絶対に友達のアドバイスなど聞き入れようとしませんでした。
変なところですごく頑固なところがあり、私は何度も恋愛で失敗してきたのです。
あのときも私は友達の一人から、「あいつ別の女とも関係を持っているらしいよ」と教えてもらっていたのです。
それなのに絶対嘘だと決めつけて、友達の話をちっとも聞こうとしませんでした。
本当に純粋というか頭が悪いというか、自分でも情けなくなるくらいに恋人を中心に世界が回っていたと思います。
そんな恋にのめり込むタイプだった私が、自分のそういう浅はかさに気づけたきっかけは、とある怖い体験からでした。
恋人との出会いは行きつけの飲み屋さんでした。
友達と飲み屋を梯子しているときに見つけた行きつけの飲み屋さんがあり、そこで同じお客として来ていた彼と知り合いました。
最初はちょっと話すだけだったのですが、お酒の力もあり思ったよりも話が弾み、何件か飲み屋を梯子して、気づいたらそういう関係を持っていたのです。
顔は元から好みだったし、何より一緒にいてすごく楽しくて、自分でも軽いなと思いますが、いつの間にか彼の虜になって、彼との恋人関係が始まりました。
本当に気持ち悪いくらいに、彼中心だったんじゃないかと思います。
彼から連絡がないかと一日に何度も彼からのLINEをチェックしていたし、彼から電話で呼ばれたらどこにいても彼の家に駆け付けました。
彼から頼まれたことは何を差し置いてもやったし、家に呼ばれたら掃除・洗濯・料理などまるで家政婦のように家事を全部やらされていました。
本当に彼にとっては都合のいい女だったと思います。
最初は優しかった彼も次第に私の扱いがすごく雑なものに変わってゆき、自分で家に呼んでおいて用が済めば「帰れ」と家から追い返されたことも何度かあります。
そこまでされても私は彼に良いように扱われていることに気づきませんでした。
ただ甘えられていると喜んで、私だけが彼を分かってあげられるし、支えられると思い込んでいたのです。
友達に別の女の肩を抱いて、ホテル街を歩いていたと報告されたときも、私はその友達の言葉を信じませんでした。
今考えたらすごくリアリティーがある話だったのに、彼がそんなことをするはずがないと思いこみ、彼に直接聞いて「はぁ?」と言われただけでやっぱり友達の見間違いかとほっとしてしまったのです。
友達がそこで嘘をついても何の得にもならないのに、恋人中心になっている私はそれに気が付きませんでした。
そうして私は友達に心配される中、彼と3年近くお付き合いをしました。
このせいで、彼を庇うあまり、せっかく報告してくれた友達に酷いことを言ってしまい、友達に縁を切られそうになることもありました。
そんな彼が事故にあったという話を聞いたとき、私は一気に血の気が失せました。
病院に駆け付けたときにはもう遅く、彼は息を引き取っておりました。
涙が止まらなかったです。
しかし、そのときに偶然知ってしまったのです。
事故した当初、彼は別の女性と会っていたことを。
そしてその女性と一緒に車で交通事故に遭い、二人して亡くなったことも聞きました。
憑依、LINEメッセージ、幻覚、嗅覚、最近の霊はあらゆる手段で存在をアピールするのですね…って、その人だけかも知れませんが
怖かった。