泣いている女
投稿者:Hzacky (1)
私が奇妙な体験をしたのは小学5年生の時でした。
姉と同じ部屋で暮らしていた私は、夜になるといつも背中がゾクゾクして後ろを振り返れませんでした。
ある日、たまたま寝るのが遅くなってしまい、ふと時計を見ると0時を回っていました。
姉は先にベッドで寝ていて、いつものように背中になんとも言えない視線を感じながら、ベッドに入りました。
その日は思い切って振り返ってみようと思いました。
1.2.3で振り返ってみると、そこには泣いている女が横たわっていました。
服は白い布切れを纏っていて、その布も髪も全身が泥だらけでした。
見えている皮膚は細かい傷が沢山あり、足は裸足でした。
私はびっくりしてすぐに目を逸らしてしまいました。
すると、もうその女はいなくなり、すぐに父の元へ行き
出来事を説明しました。
父は「見間違いだよ。もう遅いから寝なさい。」とだけ言い、すぐにまた寝室へと返されました。
その日は姉のベッドで一緒に寝ました。
後日、不動産を経営している祖父にその話をしました。
祖父はびっくりした後、深く息を吐いて「お前の住んでいる住宅街は昔、林だったんだよ。よく覚えている。お前の家の真下は、ちょうど大きな沼があってな。もしかしたら、そういう事もあるかもしれないな。」と言っていました。
私はよく幽霊としてあげられるような白いワンピースの女や兵隊の男など、怖い幽霊は見たことありませんが、その泣いている女を見た時は、なぜか悲しい気持ちになったのを覚えています。
それ以降視線を感じる事もなく、現在もその家で暮らしています。
何を伝えようとしていたかは今もわかっていませんが、なんとも言えない不思議な体験をしたと思っています。
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