墓場の落ち武者
投稿者:でっすう (2)
短編
2023/01/28
02:44
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これは私の父から聞いた、父の学生時代の話です。
私の家系は代々霊感というものが薄いらしく、学生時代の父も霊というものを全く感じたことがなかったそうです。
そんな学生時代の父でしたが、ある日友人二人と有名な心霊スポットである墓場に行くことになりました。
車に乗り街灯の少ない暗い道をひたすら走り、墓場の駐車場へと到着した3人。
その墓場は長い階段の上にあり、3人は歩いて階段を上がることにしました。
夜中の墓場なので不気味な感じはありますが、特に何も起こることもなく階段を上がっていく3人。
そして一番上までたどり着き、墓場が見えました。
普通に墓場があるだけだと思い、ふと友達の顔を見ると、まるで血の気が引いたように青ざめていました。
そして勢いよく階段を降りだした友人2人についていくように、父も階段を降りました。
急いで車に乗り込み、エンジンをかけると「ドンドンドン!」とすごい勢いで車の扉を叩く音がしました。
さすがの父も車が叩かれている音は聞こえたそうです。
アクセルを踏み、急いで墓場から離れ、3人はなんとかその場を乗り切ったそうです。
そして後日、父が二人の友人に墓場でなにか見えたのかと訪ねました。
そして二人の友人は声を揃えてこう答えました。
「血まみれの刀を持った落ち武者が、鬼の形相でこちらを睨んでいた」
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