地元の有名なヤバい一軒家

私の地元で噂か真実か不明な一家心中があった有名な肝試し場所の話になります。

もう10年以上前の話になりますが、当時私が地元で就職して社会人になりたての頃です。
まだ同級生は学生が多く夏休み期間は長期休暇で地元に帰省してきておりました。

そんなときに地元で有名な肝試し場所があるのですが、夏ということもあり地元の友人数人で肝試しに一緒に行かないかとお誘いの連絡がありました。

当時はブラック企業に勤めておりましたので、朝から夜遅くまで働いており一緒に行けるような状態ではなかったため、久しぶりに会いたかったのですが残念と思いながら断りの電話を入れました。
それから友人たちにも会いたいので肝試しへ行った友人たちの土産話を聞こうと思い、仕事が終わってから連絡をしました。

すると、行った友人たちが口を揃えて「ヤバかった」としか言わないので、何がヤバかったのか詳しく聞いてみました。

肝試し場所は普通の一軒家なのですが、地元の場所から歩くには少し遠いので、一人が車を出して5人で行ってきたそうです。
家の中は物が散乱しており、長時間いるにはみんな怖かったそうなので、すぐに出ようとして車へ戻りました。

肝試しとして家の中へ入ったまではいいのですが、家から出て帰りの車へ乗ってから事件が起きたそうです。

夏なので涼むために車の窓を開けていたのに、急に窓がガタンと閉まる。
後部座席に座っていた友人たちは誰か勝手に閉めたのか驚きで悲鳴を上げていたそうですが、運転席や助手席に座っていた友人たちは見向きもしません。

反応のない友人たちに車内はとにかく様子がおかしいので、後部座席に座っていた友人たちは「どこかに一時停止して」と言って近くにあったファミレスの駐車場に泊まってもらったそうです。

車から降りたときに、運転席に座っていた友人に「ドアが勝手にしまったのに何で気付かなかったのか？」と聞いても「そんな騒ぎは聞いていない」とのこと。
助手席に座っていた友人も、家から出るときからずっと気持ちが悪くそんな後ろで騒ぎがあったなんて知らないと言っていたそうです。

あんな騒ぎがあったのに気づきもしない状態に怖くなって皆で早く帰ろうと車内へ乗り込もうとしたら、窓ガラスには手形でいっぱいだったそうです。
車の持ち主の友人はすぐに窓ガラスの手形を拭いて、車で近くの神社の鳥居を周回して自宅へ帰ってきました。

みんな顔を青くして話すので自分は行かなくて良かったと胸をなでおろしていたのですが、とにかくお祓いだけは行くように勧めておきました。
当時は怖いもの知らずで色んな場所へ行きますが、気を付けましょうと言いたいですね。