踏切には地縛霊がいる
投稿者:くつわ (5)
皆様は「地縛霊」という存在を知っていますか?地縛霊とは、その字のごとく、土地に縛られた悪霊のことです。交通事故があった場所とか、古くは戦国時代の合戦の場所等に、地縛霊はいます。
多くの地縛霊は若く、活力がある中で死んだので、彼らは死んだということが理解できないのです。だからこの世にまだ残ってさまよって、私たちの前にふと姿を現すのです。
東京にもそんな場所があるのですが、ご存知でしょうか。私が目黒にある目黒雅叙園という素敵な結婚式場に行った帰りのことです。
結婚式が終わり、皆がバスで駅に向かう中、私は散歩をしたくなり、歩いて駅に行くことにしました。
目黒雅叙園の隣にある行人坂を上っている時のことです。急に「熱い、熱い」と言う声が聞こえました。おじいさんのような男の人のような、深い声でした。
その声はおぞましく、苦しみに満ちていて、私の背中に寒気が走りました。見渡しても誰もいません。
私は恐ろしくなって走り出しました。目の前は大通りなのに、こんな都会なのに、こんなところに地縛霊がいたのです。声は1回だけでしたが、この世ならざる者の声と言うのは感覚で分かりました。
家に帰ってから、この不思議な体験を友人に話しました。
友人は私と同じように霊に好かれる体質です。彼によると、江戸時代に大火があり、行人坂で多くの人が亡くなったそうです。
火に焼かれて苦しみながら亡くなった人たちの怨念がその土地に残っているのではないか、そんな場所は通ってはいけない、地縛霊に捕まったらあっち側に連れていかれるよ、と言われました。
都会の中に突如出てくるこの世とあの世の境目、そこではいつも、地縛霊が誰かを自分のところに引きずり込もうとしているのかもしれません。
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