背負われたおじいさん
投稿者:ぴ (414)
私の近所に住んでいる駄菓子屋のおじちゃんが亡くなりました。
ぜんぜん若くて、当時40代くらいだったと聞きます。
だけど亡くなりました。病気で突然だったそうです。
でもその当日、私は人を背負ったおじちゃんを見たのです。
いつものように駄菓子屋に行くと、おじちゃんは背中に人を背負っていました。
それは骨と皮くらいのやせ細ったおじいさんで、私はすごくそれが気になったのです。
駄菓子屋のおじちゃんに「誰を背負っているの?」と聞いたけど、分からないみたいな顔をされました。
不思議で不思議で、駄菓子屋から外に出てすぐに一緒にお菓子を買った友達に聞いてみたけど、その友達は見てないというのです。
実質そのおじいさんを見たのは私だけみたいでした。
駄菓子屋のおじちゃんが亡くなってしばらくした後に、母と一緒に手を繋いでスーパーから帰ってくる途中で、見覚えのあるおじいさんが道に倒れているのを見ました。
私は見た瞬間ぶるっと震えて、その道を通ることを嫌がりました。
そうして母に別の道を通ろうと説得している途中で、その道を煙草を吸いながらお兄さんが通ったのです。
倒れているおじいさんがいるすぐそこにタバコを落としてそれを拾ったのですが、それを待っていたかのように倒れていたおじいさんは背中にかきついたのです。
そのお兄さんが私の隣を通っていくときに、その人におぶさった骨と皮みたいなおじいさんが隣でにぃっと笑った気がします。
私は何も言わず母と手を繋いで、通り過ぎました。
その後その人がどうなったかは知りませんが、私はおそらく駄菓子屋のおじちゃんと同じ道を辿ったと思います。
あれは人じゃない何かなのでしょう。
そして私は絶対にその手のものに近づきたくはないです。
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