親友の魂が戻ってきてくれた話
投稿者:のぴー (1)
これは私が大学生の頃の話です。
私には中学生の頃からの親友がいました。親友Aちゃんは、明るくて優しくて誰にでも好かれるような女の子。ピアノが上手で運動神経も抜群。帰国子女で英語も堪能なので、非の打ち所のないような子でした。小学校でいじめにあってから自分に自信がなかった私に「そのままでいいんだよ」と言ってくれたかけがえのない人でした。自慢の親友でした。
しかし、留学先で癌がみつかり、帰国してからは闘病しながらの学生生活。化学療法をしながら通学し、有名大学の内定ももらいましたが、とうとう私が大学1年生の歳に、命が尽きてしまいました。
お別れの会で、私は弔辞を読むことになりました。ちょうど期末試験の最中だったので、試験の準備に加え、弔辞の内容を考えたり、友人とやり取りをしたり、睡眠時間を削る日々でした。親友を亡くした悲しみ、どうしてもっと傍にいてあげられなかったんだろうという後悔…色々な感情で心の中が疲弊していました。親友のことが心配でしたが、大学生活が楽しかった私は自分のことを優先して、なんてひどい人間なんだろう、本当にこんな私が弔辞を読んでごめんなさい…そんな気持ちでいっぱいでした。
お別れの会の当日、先に期末試験があったので早朝に試験勉強をし、こたつでウトウト眠ってしまった私。ふと首のあたりに親友の腕がスッと触れて、親友の匂いがしました。「〇〇ちゃん」といつもの親友が呼ぶ優しい声がしました。ハッと目を覚ますと、その時間に出れば試験に間に合うようなギリギリの時間でした。親友に助けられ、無事に試験も終わり、お別れの会で落ち着いて話すこともできました。幽霊の存在は信じていない私でしたが、その日を堺に魂が傍にきてくれることはあるのかなと考えるようになりました。
いい話