ストーカーはいつも近くにいる
投稿者:ねこじろう (147)
「それは、さぞお寂しいでしょう。
あなたのようなまだお若い方がこんなに早く連れ添いを亡くされると。
ああ、すみません、まだ亡くなったと決まったわけではなかったですね。
まあね私なんかね、今年で60になるわけだけど未だに一人もんですわ。
いやいや、もうここまでくると寂しさとかはありませんよ。
異性に対する関心もほとんどありませんしね。
ただ夜寝るときとかにね、窓ガラスとかが風でガタガタいうときがあるじゃないですか。
特に今のような季節のときは特に。
そんなとき、ああ誰かいてくれたらなあとか思うときはありますけどね。
ハ、ハ、ハ、ハ、ハ……」
私は出されたお茶を飲みながら目の前のソファに座るスエット姿の初老の男性の話を聞きながら、夫のことを考えていた。
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夫がいなくなってから、もう1年になる。
山登りが好きな人で、去年の冬行ってくると言って出て行ったきり今日まで帰ってきていない。
当時警察や地元の消防団の方々が総動員で捜してくれたのだが、結局見つからなかった。
警察は恐らく登山中に遭難されたのでしょうと言っていた。
でも私は今でも、夫があの時のままの恰好でひょっこりと帰ってくるような、そんな気がしている。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
私は今二階建ての一軒家で暮らしている。
夫は若い頃からアンティークなものが大好きで、住むところもマンションとかではなく古民家のようなところがいいと言って、わざわざ勤め先から1時間かかるところにある郊外の古い二階建ての一軒家を借りたのだ。
今私の目の前に座っているのが大家で、代々家や土地を持っている大地主の子孫らしい。
毎月末にはこうして、大家の屋敷に家賃を持っていくのである。
大家はいつも真っ赤なスエットの上下といういでたちである。
でっぷりとだらしなく肥えており、頭はおかしな具合に禿げている。
おかしな具合というのは頭頂部だけがきれいさっぱり頭髪がなく、まるで落武者のような禿げ方なのである。
初めて会ったとき、私は頭に目がいかないようにするのに大変だった。
私が住んでいる一軒家の裏手にある大きな屋敷に一人で暮らしており、特にこれといった仕事をしているような感じではないのだが、町内会の会長であり、町内の様々な行事とかボランティアとかを積極的にやられているようだ。
「何かご不便とかはありませんかね?」
大家は家賃の入った茶封筒を受け取りながら、上目遣いでギョロリと私の顔を見た。
本当のところいくつかはあるのだが、私は「ありません」と言った。
痛い目に遭わせてやった方がいいすね。
マジなら人殺しの罪で警察に通報しなさいよ。
早く警察に。
旦那さん、大家に殺されちゃったって
こと…?恐ろしすぎる…。
おいおいここで終わるんかい、怖いわ、、
小説ですかね?続きが気になる終わり方でした
引越しした方がいいよー
ためはち