交番での不思議な体験

ある秋も終わりかけの出来事です。
私は警察署か交番で発行してもらえる書類が必要になり、警察署は処理に時間がかかりそうなので仕事帰りに家の近所の交番に行くことになりました。

私が車を走らせていた車線とは反対側に交番がある為、交番の前を通過する時に交番に人がいるのかをチェックしました。

どうやら警察官が二人ほど見えたので一旦通り過ぎてからUターンをして交番横にあるコンビニの駐車場に車を停めました。

私は交番の中に入り書類を頂こうとしましたがどうやら表の部屋には警察官がいなくなっていました。

私は奥の部屋に行ってるのだと思い扉をノックして『すいません』と大きく声をかけましたが、
しかし辺りは物音さえ聞こえず静まり返っています。

私は休憩の時間なのかな？
警察も公務員だから休憩中には対応するつもりがないのかと思いましたが、中にいるだろうと確信を持っていたためもう一度『すいません』とさっきよりも大きな声でドアをノックします、
が不思議な事にやはり静まり返りなんの返答も返ってきませんでした。

私は少し腹が立ち、いるのに無視をされてると思いドアノブを回しましたがどうやらカギがかかっていて開きませんでした。

仕方がないので交番を一旦出て裏に回り裏から声をかけてみます。
『すいません』
なぜか返答も人のいる気配も感じませんでした。

しかし私はどうしても早急に欲しい書類だった為、もう一度交番の表に回ろうとした時です。

パトロール中のパトカーが戻って来たので私は書類の用意をして欲しいとお願いすると『交番の中でお渡しします』と言われ警察官と一緒に交番の中に書類をもらいに行きました。

そこで警察官に先程から滞在していて何度も声をかけたんですと伝えましたがパトロールに行っていたので不在だったと伝えられました。

私は腑に落ちなかったので来る前に交番の前を通り過ぎ人がいるのを確認して来たのを伝え、
目の前にいる警察官とは別の警察官の方がいたんじゃないですか？
と聞いてみましたがパトロールに出ていて不在だったと再度伝えられ、もう一人の警察官にも同じ質問をしました。

もう一人は先程対応して頂いた方より少し若めの方で私たち二人だけですと少し怪訝な顔をされました。

とにかく書類を受け取ったのでそれ以上の用事もなく車に乗り込み、おかしな事もあるもんだなっと思いながら交番に入った時の様子を思い返していました。

そういえば線香のような匂いがしてたのを思い出し、子供の頃に見た本で悪霊は生臭い臭いで、良い霊は線香の匂いがするのを思い出しなにか良い霊でも見たのかなと考えながら家に帰りました。