そのタクシーの運転手は
投稿者:piko (6)
私は事務仕事をしている何処にでもいるような女ですが、一度だけストーカーと言いますか奇妙な体験をした事があります。
ある日、仕事終わりに友達と飲んだ帰り、最終電車に間に合わないと思いタクシーを手配した時の話しです。
何人かの友達は彼氏だとか夫だとかに迎えに来てもらっていましたが、私は生憎と独身なので手配したタクシーに友達のE子と二人で乗りました。
「○○までお願いします」
私とE子の居住は今居る場所から二駅分くらいしか離れていませんが、先ずはE子の自宅付近まで送ってもらう事にしました。
E子は私以上にベロンベロンに酔っ払っていたので、幸い実家住まいという事もあり、自宅まで送り届けたら家族に運んでもらおうと思ったのです。
案の定、E子宅前に到着すると、一先ず私が一人でインターホンを鳴らすと母親が出てきたので事情を話せばすぐに父親がE子を担いでくれましたし、ご両親から御礼を言われました。
因みに、ご両親からは御礼と御迷惑をかけたとタクシー代金一万円を手渡されましたが、私が断ると半ば強引にタクシー運転手に代金を先払いしてお釣りがあれば私に渡して欲しいと先手を打たれました。
私は「律儀だなあ」と思いつつも、E子のご両親に頭を下げ御礼を述べた後、タクシーに戻りました。
「お待たせしてすみません、○○までお願いします」
運転手は「はい」と低い声色で答えると、パーキングブレーキを操作して、ゆっくりと発進させました。
私の家はE子の自宅から車で十分もしない小さなマンションです。
E子が居なくなった道中、無言で外の景色を眺めていると、突然運転手の男性が抑揚のない声で話しかけてきました。
「飲み会か何かのお帰りですか?」
少し吃驚しましたが、運転手もE子が居なくなった事で車内が無言になって気まずいと思ったのだろうと思い、息を整えて返事をします。
「はい、友達同士で」
「それは楽しそうですね。女子会ってやつですかね」
いまいち感情の起伏を掴めない声色でしたが、私を退屈させないように場を繋げようとしているのだと考えればそこまで悪い印象ではありませんでした。
「女子会と言っていいのかわかんないですけどね。ただの居酒屋なので」
「そうなんですか」
そんな当り障りのない会話を交えていると、私のマンション前に到着したので、運転手に「ここです」と伝えます。
停車すると運転手から「これ、先程の方からお支払い頂いた額のお釣りになります」と言われ、私の手前にお釣りを乗せたカルトンを差し出してきました。
私はお釣りを受け取ると自動的に開いたドアから降りて、一言運転手に「ありがとうございます」と告げます。
「こちらこそ、ご利用下さってありがとうございました。また何処かでお会いしましたら是非うちのタクシーをご贔屓に」
運転手は商売気質な文言を残すと、深々と頭を下げて逆方向へと切り返し、スーッと発進させるとあっという間に夜景に溶け込んでいきました。
感情の一切は感じませんでしたが意外とお喋りな人だったなと感想を抱きつつも、私は自宅に戻りました。
それから二週間後くらいが経ち、そのタクシー運転手の事なんかすっかり忘れていた頃。
E子と日を跨いでカラオケを楽しんだ私は、例のタクシー会社に電話して手配しました。
暫く経ってやってきたタクシーに乗車すると、私は運転手の後頭部に既視感を覚え、その運転手が以前飲み会の帰りに利用したタクシー運転手だと気付きます。
「あの、もしかして二週間くらい前に乗せて下さった方ですか?」
なにこれ怖い
タクシー業界ってホントに怪談多いらしいね
客商売やると感じるのは、生きている人間が一番こわいと言う事です。
死んだことに気づかずに仕事していたのかしら?
そしたらなんかかわいそうだな
本当なら最近の実話怪談勢が飛びつきそうな魅力的な話ですね
不思議なはなしでした。
これ人間じゃないと思う。なんか波長が合ったとかで付き纏う様になったとか?
隻眼だと運転手になれないと聞いたことがあります。実話怪談話には、幽霊電車や幽霊バスもありますし、幽霊タクシーや幽霊ドライバーも現存するのかもしれません。
うちのじいさんも片目がほとんど見えなくなってからタクシーの仕事辞めさせられて町工場で働いてたから、
この人も殉職かもしくは辞めさせられたあとに亡くなったのかもね
色情霊かもしれませんね。
だいたい、なぜ狙われたのかもわからないですよね。誰でも、いいんですかね。
男って女に対しては性以外に何の用もないんだが、
性欲のある幽霊って嫌だなw
周りのアドバイスって本当に聞くに堪えないな。全無視したら人生成功しまくりなんだが