霊感
投稿者:瓜來未 (1)
元々、私は霊感はある方で、ラップ音を聞いたり、気配などは感じる事はあ多々ありました。子どもの頃は、音、人影、などをよく見ていた覚えもあります。純粋なほどよく感じるそうなので、子供の頃が、一番霊感が強かったのかもしれません。霊感というのは、定期的に強くなったり、弱まったりすると言う話しを聞きました。今からお話しする時期、その頃は何事も無く、いわゆる弱まっている時だったと思います。
これは私がまだ学生で、ウォークマンが大流行していた頃の話です。
夏休みのある日、アルバイトに行く為、大通りの歩道を歩いていていました。最新型で、買ったばかりのウォークマンが嬉しくて、カセットテープに大好きな曲を編成して、かなりのボリュームにして聞きながら、歩いていました。リズミカルに歩きながら、流れてくる歌に気を取られ、信号が変わるのに気づくのが遅れてしまいました。歩行者用信号が、もう点滅を始めていた。大きな通りなので、これを逃すとまた、かなり待たなくてはならない。待つのが嫌いだったのと、バイトに遅れそうだった私は、走って渡ろとした、瞬間、「ブォン、ブォン、ブォーン」と、パイクの音。驚いて、慌てて引返しました。
即座に、歩行者用信号だけ変わり、進行方向を示す矢印に向かう車が動き始めた。
「ビックリしたぁ、急に来たなあのバイク、、、あれっ?」
バイクが向かって行った方を見る。
あの音の主の、バイクがいない。明らかに迫って来ていた。目の前を通り過ぎていくはず。しかし、通り過ぎていない。
そんなにスピードを出して、走り去って行ったのか?しかし、信号機前の交差点から入ったら、一直線の道路、後姿が見えてもおかしくない。だがそれもいない。曲がる道も無い。
気のせい?いや、確かにバイクが来た。ウォークマンをしていても、聞こえるぐらいの音で、、、。信号機が変わり、今度はしっかり左右を確かめて渡る。
「おかしいなぁ、絶対バイクだったのに、車で見えなかったのかな?いや、車の音はしなかった、バイクだけだったよなぁ?」
色々と考えながら渡りきった。納得がいかず、モヤモヤしていると、ふと、電柱の看板が、目に止まって立ち止まる。
「死亡事故発生、目撃者を探しています」
2日前のバイクと乗用車の衝突事故。
「はっ?何かを知らせようとした?それとも、危ないの警告?」
まさかな、と思ったが、あのバイクの音が耳から離れない。
「まさかね、気のせいだよ」
自分に言い聞かせ、ウォークマンの音を最大にして、仕事へ向かった。
しかし、その時にすでに霊感は高まり始めていたのです。
数日がたち、あのバイクの音の事も忘れかけていたある日。
バイトからの帰り、電車を降りて、自転車を置かせて貰っている、線路沿いの居酒屋さんに行こうとすると、たくさんの人が集まっていました。警察や、救急車、消防車もいる。顔見知りのおばさんがいたので、聞いてみた。
「何かあったんですか?」
おばさんは、「あら、お帰りなさい」と、にこやかに言った後、顔を曇らせ
「飛び込みですって、怖いわよねー」
私が乗って来た電車の、反対車線の電車で、人身事故があったとの事。そう言えば、中途半端なところで、電車が止まっていた。咄嗟に、バイクの音の事が浮かんだ。
寒気がした。
話を繋げる訳ではないが、また、あの時見たいに電車の急ブレーキの音なんて聞こえてきたらと思うとゾッとする。
こんな、現場に居たら碌な事ないと、急いで自転車を取って帰ろうとした。
野次馬の話し声があちこちからする。
「男の人だってさ」「若い人?」
「特急に飛び込こんだの?」「はね飛ばされたのか」
想像が広がってしまう。
おばさんの話しを聞くために、外していたウォークマンのイヤホンを耳に入れ、イヤな話が聞こえない様に音を遮断して、野次馬を掻き分けながら、自転車のところに急いだ。
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