ジムでトレーニングをするのが日課なのですが、コロナ禍になってからは昼間などの混む時間帯は避け、深夜に行くことが殆どになっていました。
その日も夜1時を過ぎたあたりでしょうか、行くと自分以外に誰もいませんでした。
「ラッキー」と思い早速トレーニングを開始することに20分ほど経過した頃でしょうか、ベンチプレスというベンチに仰向けになり、バーベルを持ち上げるトレーニングをしていると突然「カン」という金属音がするのです。
何の音だと思いながら起き上がりますが、勿論誰もいませんし、誰か来たら入口の音で分かるはずです。
変だなと思い再開すると今度は、一番奥にあるシャワールームから水の流れる音がするのです。
ジムはシャワールームを自由に使えるため、トレーニングを目的とせずお風呂代わりにされる方が珍しくありません。
もしかすると徒歩でシャワーしようと来られている方がいるのではないかと思い、トレーニングを再開したのです。
しかし10分経ち20分経ち30分経っても誰かが出てくる気配がなくシャワーも流れ続けています。
まさか、中で何かあったのではないか?倒れていたりして…と不安になり、様子を見に行くことに。
「大丈夫ですか?」「誰かいますか?」と声掛けしますが返事がありません。
いよいよ心配になりシャワールームの扉を押すと、鍵が掛かっておらず電気も消えていました。
「あれ?」と思っているとトレーニングルームの方から「カン!カン!」と金属音が鳴り響きます。
「一体何なんだよ」と思いトレーニングルームに戻ると片付いていたはずのダンベルやボールなどが散乱しているのです。
何かおかしいと思い、帰る準備を始めているとランニングマシンの電源が勝手に入り動き出します。
そちらを見ると、全身ずぶ濡れの男性がランニングマシンの上で歩いていたのです。
怖くなり、その場に蹲っていると入り口の扉が開き、「大丈夫ですか!」と男性の声が聞こえてきました。
恐る恐る見上げると、警備会社の服を着た男性が立っており、「いったん外に出ましょう」と言われ外に出ることが出来ました。
警備会社の方曰く、そこは24時間営業なので夜間は警備会社が監視しているのですが、私しかいないはずなのにずぶ濡れの男性が突然現れては消えてを繰り返しており、流石にヤバいと思い来られたそうです。
後日ジムのスタッフに聞いた話ですが、そこはかつて24時間のネットカフェがあったそうで、いわゆるネットカフェ難民と言われる方がシャワールームで倒れ、誰にも気づかれずに助けられることなく亡くなったそうでした。深夜になるとずぶ濡れの男性が出てくるとスタッフの間で噂になっていたそうです。

























怖いですけど。
かつて、このお話のように、24時間営業のフィットネスクラブに通っていましたが、さすがに、22時過ぎると人は、かなり減りました。24時間営業となると、人件費も上乗せしなければなりませんし、安全管理や防犯対策など、細かいところで、いろいろ大変なのではないでしょうか。
24時間営業に絡む怪談といえば、コンビニやファミレスが定番ですが、健康志向ブームに乗って、今後更に、フィットネススタジオやトレーニングジムも加わってくるのかな。