築50年の家/幼児にだけ見える霊体
投稿者:ポセイドン (1)
息子が2歳になったときのことだった。この頃は、居間でテレビの幼児番組を一人おとなしく観るようになっていたのだが、ふと気がつくと息子はテレビ画面ではなく、テレビの斜め上の方をじっと見ていたのである。
まさかと思ってデジカメを取り出し、息子の見ていた方向を撮影すると……やはり白くて丸いオーブが写っていた。さらに、息子が何かを追うように顔を動かしたので、再びその方向を撮影すると……移動したオーブがそこに写っていたのである。
まだ話すことができない乳幼児の頃は、動くものを目で追う癖がある。それが霊だとしても怖いという概念がないので、好奇心の赴くまま自然に見てしまうのである。
それからしばらくして、息子は再び画面以外のところをキョロキョロと見るようになった。今まではじっと見ていたのに今度はせわしない。念のためデジカメで撮影してみると、大小ものオーブが五つも写っていた。
以前、寝室に出てきた先祖のオーブは一体だけできれいな形をしていた。しかし、居間に出てきたオーブは不揃いで何よりも数が多すぎる。慌てて霊能力者に鑑定してもらったところ、そこらへんにいっぱいいる浮遊霊が溜まっている状態とのことだった。悪さをするようなものではないが、部屋の中が不浄なものであふれ、良くない状態らしかった。その日のうちに風通しを良くし盛り塩もした。
そして、息子が言葉を話せるようになった3歳のとき、幼児の目にもはっきりわかるほど人間の形をした霊を見てしまったのである。目撃したのは北向きの空き部屋。冬などは異常に寒く、湿気も酷くて壁や窓枠にカビが発生するほどだった。
ある日、その部屋から戻って来た息子がこう言った。
「あそこにいる白いお姉ちゃんは誰?」
家に住んでいるのは私たち夫婦と息子の三人家族だけ。空き部屋なので誰もいるはずがない……。しかも、全身が白かったというので完全に人間の形をした霊体だ。幼い息子には霊の存在がわからず、知らない女の人がいると思いこんでいたのだ。
そう言えば、友人が泊まりに来たとき、その部屋に寝かせたところ悪夢にうなされたと言っていた。……しばらく、その部屋には立ち入れなくなった。
今、築50年のその家は別の子連れの家族が住んでいる。同じような現象が起きているのだろうか……。
別の家族に被害が出ないことを祈ります。
白いお姉ちゃんは、アヴリル・ラヴィーンていうんだよ。