花壇に住む妖精
投稿者:りー (118)
短編
2022/10/01
14:50
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私が子供の頃の話です。
当時の私は妖精が見えました。
もちろん大人は信じてくれません。
学校の花壇の所へ行くと花や葉っぱの隙間から妖精がひょっこり顔を覗かせます。
雑草を抜いてあげたり水やりをすると嬉しそうに「いつもありがとう」とお礼を言われます。
私も嬉しくなりニコニコ笑っていると大人は気味悪がって「何1人で笑ってるの?」と呆れるのです。
そんな私に大人達はイマジナリーフレンドと交流してると結論づけそっとして置くようにしました。
ある日、友人のA子ちゃんが花壇へやって来ました。
妖精たちは興味深げにA子ちゃんをまじまじと見ています。
するとA子ちゃんは「この花壇、妖精が居る!」と驚いたように言うのです。
今迄誰も信じてくれなかった妖精がA子ちゃんにも見えたのです。
私は嬉しくなって花壇に住む妖精の事を話し、妖精も「A子ちゃん初めまして」と挨拶をします。
A子ちゃんもすぐに妖精が気に入り私達は話に花を咲かせました。
この出来事からあの妖精は決してイマジナリーフレンドでは無く実在していたと確信しています。
私もA子ちゃんも成長すると共に妖精が見えなくなりました。
それでも記憶にはしっかり残っており2人だけの秘密になっています。
きっと今でもあの花壇には妖精が居ると信じています。
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確かに妖精や妖怪は居る。
発声器官を持たない生物が、人間と交流するために造り出す、分身みたいなモノだ。
居ると信じてますが、実際の体験とは羨ましい限りです。