海辺の民宿にて
投稿者:6second (5)
私がまだ十代の学生の頃の話。
私は夏休みに友達数人と近県の海へ2泊3日の旅行へ行った。
私の住む県は海がないので、海水浴に泊まりで行けることにワクワクしていた。
電車を降り20分ほど歩いてようやく民宿に到着し部屋に案内されると、真夏なのに体に妙な寒けを感じたが
早く海に行きたい気持ちもあり、あまり気にせずに海へ遊びに向かった。
夕食は海の近くの食堂ですませ、民宿に戻ると遊び疲れたのか仲間たちは夜9時には寝床についていた。
私は疲れているのに何故か眠れずに布団に入っていたが、ようやく眠りにつけた夜中の2時ころだったろうか?
私は何か体に重さを感じ目を開けたが、体が思うように動かない。
足もとに気配を感じ、目線だけを向けると知らないお婆さんが足の上に正座をしてこっちを見ていた。
私は体中が鳥肌になるのを感じたが、霊感が強く金縛りにあう事もあったので少しは冷静でいられたが
体が思うように動かないので、目をぎゅっとつぶったままこの時間が早く終わるのを待つしかなかった。
私はいつの間にか眠っていたようで、気が付いたときはすでに朝になっていた。
昨夜のことは誰にも告げずに朝食の用意してある広間へ向い、朝食を食べていたとき
ふと壁にかけてある額に目がいった。
額の中にはお婆さんの写真が飾られていた。
よく見ると、その顔は昨夜私の足元に現れたお婆さんの顔であった。
朝食を済ませたあと民宿の方にお婆さんのことを聞いたら、もう何年も前に亡くなっているということだった。
何か伝えたかったのかな?