夢の子供
投稿者:ぴ (414)
私はその日、すごく嫌な夢をみました。
とにかく長くって苦しい夢だったことは覚えています。
恐怖や徒労感もすごくて、朝起きたばかりなのに体がぐったりしていました。
ただ詳しい内容は何一つ思い出せず、目覚めてもやもやした気分が続きました。
そうしていつものように会社に出かかけて、「気分が悪いので」と定時に職場から帰りました。
そしたら駅の近くに小学生くらいの子供を見かけたのです。
一人でうろうろしていたので、心配になって私はその子に声をかけました。
そしたら声をかけた瞬間、なぜか今日見た夢が脳裏にフラッシュバッグして、一瞬子供が思い浮かびました。
その夢の子供の顔と目の前の子どもの顔がそっくりだったのです。
混乱している私に、目の前の子供が尋ねました。
「夢の続きみたい?」と。
それまで純粋そうに見えた子供が一瞬邪悪に見えた瞬間でした。
私はとっさに「見たくない」と強い口調で言いました。
夢を覚えているわけではないけど、とにかく咄嗟にそう答えました。
そしたら子供はつまらなそうな顔になり、「ああそう」と言ってとぼとぼと駅の構内に消えていきました。
奇妙な体験でしたが、今でもあのときに「見たい」と答えていたらどうなっていたんだろうと考えるときがあります。
でもきっとあの答えが正解なんだと思います。
夢がどんなものだったか分かりませんが、ろくな夢ではなかったのです。
同じ夢を二度と見たくないと本能的に思いました。
もし私があのときに子供に「夢の続きがみたい」と言ったら、とんでもないことになっていたような気がします。
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