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不思議体験

ぴさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

夢の子供
短編 2022/09/30 15:09 783view

私はその日、すごく嫌な夢をみました。

とにかく長くって苦しい夢だったことは覚えています。

恐怖や徒労感もすごくて、朝起きたばかりなのに体がぐったりしていました。

ただ詳しい内容は何一つ思い出せず、目覚めてもやもやした気分が続きました。

そうしていつものように会社に出かかけて、「気分が悪いので」と定時に職場から帰りました。

そしたら駅の近くに小学生くらいの子供を見かけたのです。

一人でうろうろしていたので、心配になって私はその子に声をかけました。

そしたら声をかけた瞬間、なぜか今日見た夢が脳裏にフラッシュバッグして、一瞬子供が思い浮かびました。

その夢の子供の顔と目の前の子どもの顔がそっくりだったのです。

混乱している私に、目の前の子供が尋ねました。

「夢の続きみたい?」と。

それまで純粋そうに見えた子供が一瞬邪悪に見えた瞬間でした。

私はとっさに「見たくない」と強い口調で言いました。

夢を覚えているわけではないけど、とにかく咄嗟にそう答えました。

そしたら子供はつまらなそうな顔になり、「ああそう」と言ってとぼとぼと駅の構内に消えていきました。

奇妙な体験でしたが、今でもあのときに「見たい」と答えていたらどうなっていたんだろうと考えるときがあります。

でもきっとあの答えが正解なんだと思います。

夢がどんなものだったか分かりませんが、ろくな夢ではなかったのです。

同じ夢を二度と見たくないと本能的に思いました。

もし私があのときに子供に「夢の続きがみたい」と言ったら、とんでもないことになっていたような気がします。

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関連タグ: #声#夢#子供
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