山の神様の恐ろしい嫉妬

私が大学生の頃の話です。

当時私は登山部に入っており休日にはよく仲間達と共に山登りへ行っていました。

当時は山ガールと呼ばれるお洒落な装いが登場し、私もピンク色や体のラインが綺麗に出る登山服を愛用していました。

登山に華が添えられて仲間達からもおおむね好評でした。

しかし、ある時「次に登る山はいつものお洒落な格好で来ちゃいけない」と言われました。

曰く次の山は霊験あらたかな場所で修行僧等も多く登る山なのだそうです。

その山には女の神様がいて綺麗な人が登ると嫉妬して天候を悪くするなど良くない事が起こるとの事です。

正直半信半疑でしたが言う事を聞かず仲間達から顰蹙を買うのも嫌なので地味な装いで登山に向かいました。

途中別大学の登山部と鉢合わせ、皆お洒落な装いをしていて羨ましかったです。

その大学とはルートが別だったので別れた後に目的の山小屋まで着く事が出来ました。

しかし翌日のニュースで大学生の一行が遭難したと知りました。

あの時のお洒落な一行です。

きっと山の神様が嫉妬して遭難させてしまったのだと感じました。

その後一行は救助隊によって救助されましたがとても怖い思いをしてパニック状態だったそうです。

山の神様の機嫌を損ねる事の恐ろしさを知った出来事でした。