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不思議体験

ねこじろうさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

ソロキャンプ
長編 2022/09/02 14:23 9,989view
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ずいぶん前からソロキャンプにはまっている。

ソロキャンプというと、なんだかかっこいいが、ただ週末に車で山あいに分け入って、適当なところでキャンプをするだけのことだ。

これは夏も終わりに近づいた頃の、ある日曜日に起きた不思議な体験だ。

昼頃に道具一式を車に乗せ、家を出る。
晴天とまではいかない薄曇りの空の下。
いつものとおりのルートで車を走らせていた
私がソロキャンプをするところはいつも同じ場所で、自宅から1時間くらいのところにある山あいの川辺である。
もう何回くらいだろうか、、、数えきれないくらい、そこには行った。

それには理由がある。

今から3年ほど前のことだ、、、

その頃私には妻がいて、一人だけだが8歳の息子もいた。
会社員だったのだが、郊外に小さな二階建ての家を買い、そこで平凡な暮らしを送っていた。
夏休みのある日、息子の貴司がキャンプに行きたいと言いだしたので、近くの山に家族で出掛けることにした。
山あいの川辺にテントを張り、昼は釣りやバーベキューを、夜は花火をして楽しんだ。
その夜、狭いテントの中で家族三人川の字になって寝ていたときのこと。
ようやく眠りにつこうかというときに、横にいる貴司が肩を揺する。
どうした?と聞くと「オシッコ行きたい」と言うので「そこら辺の川辺でしてこいよ」と答えた。
貴司は言われた通り、一人でテントを出ていった。
昼間の疲れもあり、私はそのまま眠りについてしまった。
しかしそれが、大きな後悔の始まりだった。

翌朝よほど熟睡していたのか、私は妻に肩を揺すられて目を開く。
そこには、険しい表情の妻の顔があった。

「ねぇ、ちょっと、貴司、知らない?」

「え!?」

横を見ると、貴司の姿がない。
あわててテントを飛び出し、辺りを探すが、見当たらない。
その日は日が暮れるころまで夫婦二人で貴司を探し回ったが、だめだった。
結局、警察に連絡したとき、辺りは真っ暗になっていた。

それからの半年。
警察、地元の消防団、本当に多くの人たちが息子の捜索に奔走してくれた。
もちろん私と妻も、、、
だが靴の片方さえも見つからなかった。

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コメント(1)
  • ちょっと切なく、しかし面白かったです

    2022/09/15/12:20

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