雨女と晴れ女の攻防
投稿者:りー (118)
短編
2022/08/26
11:44
987view
私は所謂雨女です。
天気予報で晴れると言っても私がそこへ赴けば必ず雨が降ります。
自分でもその事に辟易していました。
ある日、晴れ女と呼ばれる友達のA子と一緒にライブに行く事になりました。
野外ライブで私は雨が降るのではとヒヤヒヤです。
しかしA子は「雨なんて気にしない。
楽しんだもの勝ちだから!それに私今迄一度も雨に降られた事無いよ」と至って明るく言います。
その太陽の様な明るさに私はきっと雨は降らないだろうなと思いました。
私の雨を降らせる能力とA子の晴れさせる能力ではA子の圧勝だと思ったのです。
本当にそうなのか空を気にしつつライブを楽しんでいたら予想通り雨は降らず綺麗な青空が広がっています。
ライブ終了後にA子と余韻に浸りつつカフェで食事をして帰りました。
そこまでは良かったのです。
A子と別れた途端急に空がどんよりしてあっという間に分厚い雲に覆われてしまいました。
雷が鳴ったと思ったら大粒の雨が降り出しました。
ゲリラ豪雨です。
私はこの時思いました。
今迄A子の晴れさせる能力で抑えられていたけれどそれが無くなった途端ストッパーが外れこうして豪雨として発散しているのだと。
やはり私の雨女としての能力も強烈だったようです。
その後1時間ほど雨は降り続け足元をずぶずぶに濡らして家に帰ったのでした。
前のページ
1/1
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 9票
こういうこと思い込んでる人が社会に紛れてるってのが1番ゾクっとする…。