コワイ転校生
投稿者:ぴ (414)
その子が転校してきたのは小学4年生の二学期でした。
両親の転勤のせいで私の通う学校に転校してきたその子は、とても可愛らしいはにかみ笑顔とえくぼがチャームポイントでした。
ただ特別に可愛かったというのもあり、クラスのリーダー的存在の子にやっかまれていたのです。
それがきっかけでクラスの一部の子に虐められるようになってしまい、何度か物を隠されているのを見ました。
でも私は助けられなかったです。だってそれを助けたら今度は自分が虐められる可能性があったからです。
このまま理不尽ないじめが続くと思っていたのですが、ある日クラスのリーダーだった女の子が急に不登校になりました。
そしてそれをきっかけに転校生を虐めていた子たちに次々と不幸が起こったのです。
転校生の持ち物を隠した子は盲腸で入院をしたし、転校生を直接虐めた子は体育の授業中に骨を折るような大けがをしました。
それから次々と虐めに関わったクラスメイトに大小の不幸が起こり、私はだんだんと転校生が怖くなったのです。
私は転校生のいじめを目撃して、見て見ぬふりをしました。
これにすごく罪悪感があり、他のクラスメイト同様にいつ何が起こってもおかしくないと恐怖を抱いていました。
そんなときに転校生が私に話しかけてきたのです。そして「怖がらないでよ」と言われました。
どうやら私に怖がられているのを察していたらしいです。あまりのも優しい感じで話しかけてきたので、私は安心したのです。
しかし、次の日私は部活のバレーで突き指しました。
包帯をして学校から帰る途中に転校生と偶然すれ違います。そのすれ違い様に私のけがをちらっと見て、はにかみ笑顔で言われたのです。
「それくらいで許してあげるから大丈夫だよ」って。私はこれを聞いた瞬間に恐怖で身が竦みました。
あれが転校生の仕業だったのかは不明です。
その後転校生は三学期を待たずに、また両親の転勤をきっかけに転校していきました。
ですので、その子の行方は分からず、今はあれの真実は確かめようがありません。
ただ私はきっとあの転校生が何かしたと思っています。
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