奇々怪々 お知らせ

心霊

津々さんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

見える人・見えない人
長編 2022/07/30 20:52 3,146view
0

僕たちが実際に体験した話です。

僕の趣味はバイクのツーリングです。いつも数人でツーリングをしますが、たまには一人でもツーリングをするほどバイク好きでした。

しかし、バイク仲間のAがスポーツカーを購入し僕たちに自慢してきました。

僕たちはAに「この浮気野郎!」などと話していると、Aが「車だって早いし快適だしいい所しかない」といいました。

バイク乗りが車に乗り換える時によくある口喧嘩になり最終的に「海までレースして勝った方が正しい」という単純でアホな話になりました。

バイクには僕が乗り車はAと不正を行わない様にとBが乗りました。海までは片道1時間ぐらいで、飛ばせば40分ぐらいの距離です。ヒマな時はよく走る峠道なので僕もAも走りなれた道でした。

よーいドンでお互いスタートし、初速の加速は当然バイクの方が早くこのまま僕の勝ちだと思いました。

しかし、スタートして間もなくマシントラブルでバイクが止まってしまいました。その間にAに追い抜かれてしまいました。

僕は「何でこんな時に故障するかなぁ」とバイクを確認していると交換したばかりのエンジンプラグが焦げていました。幸いにも交換用を積んでいたのでさっさと交換してA達を追いかけました。

Aとの時間差は大体5分ぐらいだったので、かなりスピードを出して追いかけました。すると、僕のスマートウォッチにBからLINEが来ました。「Aの車に乗ってよかったわ」僕は何のことか分かりませんでしたが、Aの車を追いかけました。

数分後、またBから「Aのやつかなり調子乗ってる。ムカつく」とLINEが来ました。僕は、車内で僕に勝ったと話しているんだと思っていました。

僕が海に着いた時にはAとBは車外に出て大声で喧嘩をしていました。なので僕は「何そんなに熱くなってんだよ」と二人の間に割って入るとBが「バイクや車の話じゃねぇよ!こいつが人の女にちょっかい出すから悪いんだ!」とかなりの剣幕でした。

しかし、それに負けじとAも「お前にはもったいないって話だ!鏡見た事あんのか!」と普段とは全く違う二人がそこには居ました。そして僕は二人を止めながら「B!お前に彼女いねぇじゃん」

というとBは「さっきできたんだよ!」というのです。

どうにか2人を引き離し喧嘩の理由を聞こうとするとAもBも誰かを探し始めました。

僕は、その光景を見て「お前ら何してんの」と聞くと二人は「Mを探してる」と声を揃えていいました。

僕は、「そのMって誰?」と聞くと二人は今までのいきさつを話してくれた。海までの道中で、暗闇の中歩いていた女性がいて目的地もおなじ海だったため車に乗せたらしい。

そして、車内でMの取り合いになり何とか海に着きすぐに喧嘩を始めたというのです。僕は、「お前らは本当にあほだな。ケンカなんかしたら逃げるにきまってるじゃん」と二人をなだめましたが、いつもとは違い二人はまだいがみ合っていました。

なので、僕はその女性Mが気になり「写真かなんかないの?」と聞くと二人とも携帯電話の画面を見せてくれました。

しかし、その画面には誰も映っていませんでした。映っていたとしてもAかBのどちらか一人が満面の笑みで写っていました。

僕は2人に「なにこれ?悪い冗談か?」と少しイラっとしました。ですが二人は、「あれ?マジで写ってない」「なんで?」と本当に困惑していました。

僕は、その姿を見て2人に「ドラレコ確認したら?」と提案しました。なぜならAの車には360度見渡せれる最新のドラレコを搭載していたからです。

しかし、確認したドラレコには女性は映っていませんでした。簡単に説明すると、二人とも女性が歩いていると話し始め、ナンパでもするような口ぶりで窓を開けて会話を始めたのです。

ですが、当然返事はないのに二人は楽しそうに会話をしているのです。誰も居ない空間を見ながら本当に楽しそうに話していました。

僕は、ここまで見た段階で「俺にドッキリでもかけてるの?」と二人に一応確認をすると2人は青ざめた顔をしていました。僕は、そこで初めてなんだか異常な事が起きていると思いました。

ドラレコの続きを見るとやはり二人の会話しか映っておらず、Bは空席の後部座席に向かって話し続けている時もありました。しかし、時折画面にノイズが入ったり音声にもノイズが入ったりするようになりました。

その時です。Bが後部座席に「彼氏がいないなら俺と付き合ってよ」と話しかけていると「いいよ」と女性の声が入っていました。その声を聴いた2人はより一層青ざめていました。

僕は、意味が全く分からなかったので二人に「Mを乗せた所に行ってみよう」と提案しました。

理由は本当に人間なら深夜に海までの峠道を歩いているわけがないと思ったからです。幸いにもドラレコに止まった場所が映っていたので簡単にMを乗せた場所がわかりました。

僕たちは驚きました。なぜならそこには大量の花束と飲み物、お菓子などが供えられていたからです。

1/2
コメント(0)

※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。

怖い話の人気キーワード

奇々怪々に投稿された怖い話の中から、特定のキーワードにまつわる怖い話をご覧いただけます。

気になるキーワードを探してお気に入りの怖い話を見つけてみてください。