死んでからも助けてほしい女の子の話

イギリスに留学していた時のことです。

私がホームステイしていたのはそこまで富裕層の家ではなく、出てくる食事はほぼ冷凍食品、ステイ先のママがミートソースを作った日には家族が全員大喜びするような感じの、ザ・イギリスという感じの家族でした。

都会では無く地方の方に留学していたのですが、周辺の土地はどんななのか？と地道に歩きながら開拓していました。

ある日、学校から帰り、村のはずれにあるステイ先の家の玄関先に女の子が座っているのを見て「ハロー」と声をかけましたが、逃げてしまいました。

顔に特徴的なあざがあったのですぐに覚え、何度か家の前に座っているのを見かけるたびに声をかけましたが、毎回逃げるばかり。

ホストマザーに「話をしようとしたけども逃げられててしまった。

こっちの子供はフレンドリーだと思ったけどそうでもない子がいるんですね」と言う話と彼女の特徴的なアザのことを伝えると、え？と言う顔をされ、「顔にアザってほっぺたのところが火傷みたいになってる？」と言われました。

その通りだと答えると、「言いにくいけどその子は10年前くらいに母親に毒殺された子だよ。マデリンっていうの。そのアザは折檻でできた傷だよ」と言われ、ゾッとしました。

ステイ先のママは当時ケアワーカーをしていて、彼女の面倒を何度か見たとのこと。

ママを訪ねてやってきてるとしたら、本当に可哀想だなぁ、と恐ろしい気持ちが混在してなんとも言えなくなりました。