残酷な仕打ちの代償
投稿者:ぴ (414)
小さい頃って、残酷な遊びが流行ったりしませんでしたか?虫を水攻めにして遊んだり、そんな思い出がある人は少なくない気がします。
そんな私たちがよくしていた遊びはアリ殺し競争でした。
もうそのままで誰がアリをたくさん見つけて殺せるかという残酷な遊びなのです。
その頃はまだ幼すぎて、それが残酷な仕打ちという自覚すらなかったです。
そうして遊んでいたら、その中の一人が急に悲鳴をあげたのです。
その子はアリに嚙まれたとぎゃーぎゃー言ってました。
私や他の子たちはちょっと嚙まれたぐらいで大げさなと思って放っていたんですけど、その子がしきりに「痛い痛い」というので、傷を見てあげました。
アリに噛まれたくらいでは普通、傷はできません。しかし、その子の傷はすごく膿んでいて、なんだかさっきできたばかりの傷には見えなかったです。
そして私は次の瞬間にびくっとしました。
だってその傷口からひょっこりアリが出てくるのをこの目で見てしまったからなのです。
私とその子は「ギャー」と叫びました。
焦って叩き落として潰れたアリがそこにいました。
今さっき見たことにぞぞぞっとした私はすぐに近くの大人に助けを求めました。
その子はそれから消毒をして、病院で見てもらいにいったらしいです。
私とその子が見た悪夢のような傷口からアリが出てくる現象は誰に話しても信じてくれませんでした。
でもそれからその子は一度もアリ殺し競争に参加しなかったし、私もあれを見て子供ながら思うものがありました。
それ以来無駄な殺生をしなくなったし、虫を殺すたびにあの日のことを思い出して、必要以上に恐怖と罪悪感を感じるようになりました。
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