寒気が止まらない

私の友達に看護師の仕事をしている美人な友人がいます。

その子に一度「彼氏です」と紹介された人がいたのです。

私はそのとき、今までにないくらいの鳥肌が立つのを感じました。

特に鳥肌が立つようなおぞましい見た目はしていないし、むしろイケメンでした。

また生理的に受け付けない行動や発言をしていたわけでもありません。ただその人と対面している間はものすごく寒気が止まらなくなるのです。

この不思議な現象に、私は戸惑いました。

せっかく友達が紹介してくれた人なのに、「寒気がする」と避けるわけにもいきません。

しばらく無理して一緒に話していたのですが、私はこの寒気と鳥肌が止まらないことに気づかれないだろうかとびくびく心配してました。

一度友達の彼氏に、「顔色が悪いね」と心配そうに近寄られました。

私は思わず避けてしまって、気まずい沈黙が落ちました。

彼はなぜだかそんな私を面白そうに見ていた気がいます。友達はまったく私と彼氏のぎくしゃくした空気に気づいていないようでした。

それからしばらく経って、友達と会ったときに二人で飲みにいきました。

あまりに遅くまで飲みにつき合わせるので、「彼氏はいいの？」と聞いてみたのです。

この間の彼氏との寒気現象を思い出して、落ち着かなくなりました。

そしたらその美人な友達から「ハイ？忙しくて出会いなんてない」とぴしゃりと言われてしまったのです。

まるで、この間紹介された彼氏の話がなかったかのように話すので、「え？もう別れたの？」と私が驚くと、「もう1年以上彼氏いないから」と真顔で言われてしまいました。

あまりにつじつまが合わず、この前紹介された男の話をしたのですが、彼女は「誰それ？知らない」というのです。意味が分からなかったです。

その日は二人して酔っぱらっていたので、まともな話ができないと思い、後日また話を聞いてみました。

それでもやっぱり彼氏なんて紹介してないと言うのです。

私はいまだにあの寒気が止まらない人が誰だったのか気になっています。

私が感じたあの寒気は、何か危険を知らせるものだったのかもしれません。

あの人が何者で、なぜ友達と一緒にいたかどうかは分からないです。

とりあえず、寒気がする人とは極力関わらず、距離を取った方が良いかもしれないと思うような出来事でした。