消えていく灯火は命の数
投稿者:新伝 (4)
短編
2022/05/15
20:11
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私の暮らしていた街にはある噂がありました。
高速道路が出来てから街の人が使う事のなくなったトンネルのお話です。
高速道路が出来る前は普段から遠出に赴く時や普段の交通利用として使われていた古いトンネルだったのですが、隣街の画期的な開拓によりショッピングモールなどが出来てしまい新たに高速道路の建設が始まりました。
普段から利用していたそこのトンネルは高速道路の開発に伴って利用者が大幅に減少してしまいました。
それよりもそこのトンネルには奇妙な噂が昔から後を絶たないのです。
少し古びではいましたが私用で通る分にはごく普通のトンネルでした。
けれどそこのトンネルは真夜中に車を走らせると後ろからお婆さんが追いかけてくるというような噂があったりと心霊スポットとして有名でした。
それよりも多かったのがトンネル内の電球の噂が圧倒的に多かったです。
トンネルはそこまで古くなくとも電気の明かりだけはまだまだ薄暗いものでした。
そこのトンネルは開通当初から電球が割れるなどの事故が多くあり誰もがこの噂の事を知っていました。
電球の割れる速度に追いつかれたものは取り憑かれて死ぬ、というものでした。
トンネル内を車で走行すると必ず背後から順々に電球の玉が割れていくのです。
それに追い付かれたものは近日には亡くなる、との噂が絶えないというものでした。
実際に追いつかれた者は電球の話を知人に話した一ヶ月後に亡くなってしまいました。
この噂は街では今でも有名な話です。
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