お墓で聞こえた声

弟に、私と娘が父のお墓参りに連れて行ってもらったときの話です。

大分市内の外れにある海が見える丘にある墓地へ、弟の運転する車で連れて行ってもらいました。

久しぶりの墓参りで、父の墓の周辺に草が生い茂っていました。

弟は草を刈ってからお墓をきれいに掃除し、お花を活けて、ロウソクとお線香に火をつけました。

弟がお経をあげるというので、私と娘は弟から少し離れたところでお参りするのを待っていました。

墓地には私たちのほか誰もいませんでした。

弟がお経を読んでしばらくしたとき、近くで「はあー」という男の人の声がしました。弟とは違う、年配の男性の声でした。

私は娘と顔を見合わせて「さっき声聞こえたよね。誰かいた？」と聞きました。娘も「私も聞こえた。ほかに誰もいないよ」と答え、弟のお経が終わるのを待ちました。

お墓の前で手を合わせた後、弟にさっき声が聞こえたことを話しました。

聞こえた声は父の声とも違うので、「近くのお墓に入ってたオジサンが、お経読んでもらったのを喜んで声出したんじゃなかかな？」と答えました。

ちなみに私には霊感というものはまったくありません。ほかの人の墓参りでも、墓地に来てもらえるとあの世の人は嬉しいのかもしれませんね。