母と子の連携
投稿者:りう (54)
短編
2022/03/09
19:33
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中学生の時、仲の良い神田君がいた。父親は入院しているとのことで、週末、時々面会に行っていると聞いていた。
会話の中で、
「面会はガラス越し」
「必ず父親側には見張りの大人がいる」
「施設は塀が凄く高い」
「父親は部屋でテレビが見れない」
「面会時間は数分だけ」
などの情報が散りばめられていて、あ〜これは隣町にある刑務所なんだろなぁと思っていたが、そこはあえて追求しなかった。
ある日、神田君が嬉しそうだった。父親が一時帰宅するとのこと。あぁ、いわゆる仮出所かと思いながら、良かったなと声をかけた。神田君は、
「お母さんと長年、この日を待ちわびていたよ。」
「やっと久しぶりに触れることができる。」
父親が帰宅した日の夜、父親は自宅で亡くなった。
神田君が後ろから羽交い締めにし、母親がナイフで胸を突き刺したとのこと。父親が帰宅するやいなや、母親の指示のもと、見事な連携で犯行に及んだらしい。
父親は重度の精神病患者で、そびえ立つ塀が日本一の高さで有名な隣町の病院に長年、入院していたそうだ。
もう入院費が底を突いていたらしい…
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殺すぐらいなら、さっさと離婚すれば良かったのに。
離婚よりも怨念が勝ったのでしょう。