オバケ狩りの小学生たちを襲った謎の白い女性
投稿者:窓際族 (47)
これは今から20年ほど前のお話です。
岩手県のとある街では「ダムに子供たちだけで行ってはならない」としつこく言われていました。
なぜなら本当にオバケが出ると言われていたからです。
しかし、やんちゃな小学生男子たちにそんな話は通用しません。
親の言うことも先生の言うことも聞かない悪ガキだった私は、自分と同じような仲間たちと一緒にオバケに会いに行くことにしました。
短剣に見立てた竹定規を装備して、オバケをやっつけてやろうと思ったのです。
また他の子たちはコンパスや三角定規、そこら辺の木の枝や石を装備していました。
今思えばある意味微笑ましいですね。
それはさておき。
噂のダムは小学校から歩いて3、40分程の場所にありました。
ダムなのでもちろん山の上にあるわけですが傾斜はそんなにキツくなく、住宅も普通にあるような場所ですから私たちは意気揚々と遠足気分で進んでいました。
道もアスファルトでしっかり舗装されているうえ、穏やかに茂った木々が木陰を作っていてとても歩きやすかったので特にトラブルらしいトラブルもなく、友達と楽しくふざけながら歩いていたのを覚えています。
そんなこんなでしばらく歩いていると、大きなダムとダム湖が見えてきました。
私たちは歩行者用通路になっているダムの上からダム湖を眺め、その雄大な景色を数秒だけ楽しんだ後、さっそくオバケ探しに取り掛かりました。
しかしオバケらしきオバケは探せど探せど見つかりません。
オバケが出るとは聞いていたものの、具体的にどこを探せばいいのか私たちには分からなかったのです。
20分ほどオバケ探しをした後疲れて休んでいると、私たちのそばを偶然県職員のおじさんが通りがかりました。
そして私たちが県職員のおじさんにオバケを探しているといったことを話すと、県職員の人は顔色を変えて絶対に止めておきなさい、帰りなさいというばかり。
しかし夜になっても帰るつもりはないと粘っていると、県職員の人は折れてこんな話をしてくれました。
このダムは自殺の名所になっていて、過去に何人もの人が飛び込んでいる。
なぜか人が飛び込む場所はだいたい決まっていて、下手にそこに行くとなぜか引きずられて気分が悪くなったり、体調が悪くなったりする。
子供はそういったものの影響を受けやすいようだから、命を守るためにも帰りなさい……
私たちは逆にわくわくしました。
その場所を突き止めてやろうと思ったのです。
またもしそうできれば、たくさんのオバケに会うことができるかもしれないとも思いました。
しかし、県職員の人はどうしても教えてはくれません。
仕方がないので、手分けして飛び込みやすそうな場所を探すことにしました。
日は落ちかけていたので、オバケとの決戦に備えて私たちは急ぎました。
そして数十分後。
辺りはすっかり暗くなりましたが、各々懐中電灯は持ってきていたので歩くことに関しては特に問題は出ませんでした。
しかし、新たな問題が発生してしまいました。
悪ガキ仲間のOがいなくなってしまったのです。
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