プリクラの足
投稿者:としこ (2)
短編
2022/02/22
18:13
1,103view
私は田舎に住んでいるのですが、田舎にはイオンモールのような大きなショッピングモールは無く、かろうじて二階建ての複合施設がありました。
生鮮売り場や服屋、ちょっとしたフードコートに、小さいゲームセンターもあるその施設は地元の学生からすれば田舎の数少ない遊び場です。
そんな中、二階の一角にプリクラの機械が並ぶスペースがありました。
買い物を終えた私はそのプリクラコーナーの近くに設置されたベンチで一息ついていると、プリクラ機の中から大きなはしゃぎ声が聞こえました。
あまりに大きな声だったのでちらりと見ると、プリクラ機のカーテンの下に二人の女の子の足が見えます。
よくあんなでかくて高い声出るなーなんて思ってぼんやり見ていると、
「「せーの!」」
という掛け声が聞こえて女の子達の足がカーテンの向こうに消えました。
若い女の子がジャンプしながら躍動感のある写真を撮るやつだろうな、と思いました。
5秒後、10秒後。
女の子達の足は一向に着地しません。
カーテンの下から見えていたはずの足も、あれだけ騒がしかった声も、最初から無かったかのように消えてしまいました。
モデルのいなくなったプリクラ機は愛想のいい声で言います。
「落書きコーナーにまわってね」
女の子達は出てきませんでした。
前のページ
1/1
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 7票
落書きコーナーにまわる…?
なんのこっちゃ。
昔は撮影する場所と落書きする場所が別になっていたのですよ
そうか若い人は知らないのか
落書きしてる間に次のお客さんが撮影出来るって上手い具合に出来てたんですよね。
今って一緒くたなのかぁ…別の怖さ感じちゃった笑