古本屋で買った小説に記されていたSOS
投稿者:誠二 (20)
短編
2022/01/29
12:10
1,964view
俺の趣味は古本屋巡りです。特に大学に近い神保町に通っており、よく店先のワゴンを漁っていました。
100円の古本を買って帰り、夜寝る前に読み進めていた時にふと違和感を覚えました。
小説のページに落書きがしてあるのです。
その落書きというのがどうにも奇妙なもので、丸印で「た」だの「す」だのが囲んでありました。
謎の丸印はランダムに現れます。何ページごとと決まっているわけでもなく、さっぱり意味がわかりません。
結局二時間ほどで読み終えたものの、頭の片隅に丸印で囲まれた活字の謎がひっかかりモヤモヤが膨れ上がりました。
だしぬけに思い立ち、丸で囲まれた字をぬきだしてメモに書き写してみた所、衝撃的なメッセージが浮かび上がりました。
「た す け て こ ろ さ れ る」
古本には誰かのSOSが記されていました。
もちろん悪質なイタズラの可能性も否定しきれませんが、気になって仕方なくなった俺は翌日この本を買った店に向かいました。
そして店主に本の出所を聞いた所、この本はある女性の遺族から買い取った物だと教えてくれました。
女性の死因は自殺だったそうです。
俺が古本に見付けたメッセージは前の持ち主の妄想だったのでしょうか?
まさかとは思いますが、彼女は本当に誰かに命を狙われていたのでしょうか……。
前のページ
1/1
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 13票
自殺の半数はアレらしあからありえるかもね。
古本売る時に、持ち主が亡くなったとか自殺とかわざわざ言わないと思う。