我が子は知っている

私には今年で4歳になる可愛い娘がいます。この子を身ごもった頃に夫と離婚が決まり、女一人で育てていけるか最初は不安でしたが本当に産んでよかったと思っています。
ところがそんな最愛の娘が最近よく悪夢にうなされるようになったのです。

夜通しうめき続ける娘を見かね、「一体どんな夢を見たの？」と尋ねても首を横に振るばかりで答えてはくれません。その頃からでしょうか、娘は私を避けるようになりました。もとより娘は甘えん坊で私が添い寝してあげないとむずがったのに……子どもの変化に戸惑っていた矢先の事、娘を幼稚園に迎えに行った私は保育士さんに呼び止められました。

「あの～変なことを聞いてすいません。お母さん、K子ちゃんを強く叱ったりしましたか？おしおきしたりは……」
「いいえ、心当たりありませんけど」
「実は今日K子ちゃんがお母さんに殺されちゃうって泣き出したんです」
「えっ？」

娘が泣きだしたのはお唄の時間、保育士さんがオルガンできらきら星を弾いていた時だそうです。その話を聞いた瞬間、産婦人科の待合室の記憶が甦りました。当時私はお腹の子を産むか堕ろすか迷い、一度は手術を決意して産婦人科に行ったのです。あの産婦人科で流れていた曲もまた、きらきら星でした。