私の友達Ａちゃんとは、高校生の頃に出会いました。
Ａちゃんは一般企業に就職。私は大学に進学し、高校卒業後疎遠になりました。
時々連絡を取り合うことはありましたが、卒業式以降彼女と会うことは無くなりました。
Ａちゃんが社会人２年目を迎えた時、会社で好きな人ができたという話を聞きました。
どんな人か興味があったので話を聞くと、会社で出会った先輩だそうです。
優しくて誠実で、スタイルが良いなど、散々好きな人への褒め言葉を聞かされました。
その話を聞いた後からは、毎日のように電話やメールでのやり取りをするようになり、１日に数時間、彼女の恋愛話に付き合わされるようになりました。
「彼に連絡先を訊くにはどうしたら良い？」「彼にデートに誘うにはどうしたら良い？」と、細かい質問を受けるようにもなって少し疲れていました。
私も大学の課題やボランティア活動で疲れており、Ａちゃんからの連絡を無視したり、忙しいからと短時間で切り上げることが続き、連絡の頻度は減っていきました。
Ａちゃんと連絡をとらなくなって１年後。
久々に彼女から連絡があり、「最近なんか疲れやすくて。首も痛いし。彼とも全然関係が進まない。」と落ち込んでおり、以前の彼女の活気は無くなっていました。
恋愛への意欲に満ちていた彼女のイメージが強かったため、彼女の弱弱しい声を聞いた時は衝撃的でした。
心配になって急いで彼女と会う約束を決め、翌週の土曜に会うことになりました。
久々に会った彼女の首には湿布が何枚も貼られており、思わずぎょっとなり「どうしたの？」と聞いてしまいました。
リンパ腺が腫れているそうで、病院に行きましたが詳しい原因は不明と言われたそうです。
「好きな彼とは職場で会うだけで、何の進展もない。
彼からのアプローチもなければ、自分のことをどう思っているのかも分からない。」とか細い声で淡々と嘆いていました。
「最近仕事はどうなの？」と尋ねた私に、さっきまで嘆いていた彼女が急に真剣な顔になりました。
「最近職場の人から挨拶以外話しかけてもらえないの。なんとなく避けられている感じ。裏ではコソコソと悪口言われているみたいだし。何か悪いことしたかな。それとね、彼の勤務が分からないの。」
私は思わず「彼の勤務って？」と聞いてしまいました。
「ほら。」と見せられた彼女のスマホには会社のシフト表らしき紙の写真。
どれを見ても彼女が言ってる彼の名前がそこにはない。
「辞めたとかじゃないの？」と聞くと、「毎日一緒に仕事してるけど。」と言います。
「私が彼のことを好きなのが会社に分かったんだと思う。上司にバレたから、彼だけ勤務表を別にされたんだと思うの。」
会社のシフト表に彼の名前がないことについては、真剣な面持ちで彼女がそう語っていました。
その日の帰宅後は、彼女からおかしなことを連続で言われて頭がパニックになっていました。
しかし、冷静になって考えてみると色々おかしなことがあります。
彼女は職場恋愛をしているだけであって、別に会社に迷惑をかけているわけでもない。
それだけで好きな人との勤務表を別にされたり、彼女の悪口を言って追い詰めるなんて変な会社だ。
どうしても彼女と会って以降、彼女のことが気になって仕方がありませんでした。
お疲れ様です。